世界で推定毎年20万人の労働者が職場での受動喫煙により命を落としている。受動喫煙に安全なレベルはない。全面禁煙の実施が受動喫煙の被害から人々を守る唯一の効果的な方法だ。(by WHO)

日本も加盟しているWHOの「タバコ規制枠組み条約」では、「2010年2月までにすべての公共の建物内の完全禁煙」をガイドライン(指針)としています。子ども、家族、自分、大切な人がタバコの被害を受けない社会作りが必要だと思います。

                
 動画CMコンテスト受賞作品(NPO法人日本禁煙学会)


   

無理なくできる当世の禁煙

無理なくできる当世「禁煙」事情
内服薬、パッチ薬、病院治療も“根性”だけが頼りだった禁煙に、内服治療薬が登場。パッチ薬の薬局販売も実現した。“理性的”禁煙の土台は整っている。
 タバコはまさに「百害あって一利なし」。現時点でタバコを吸ったほうがいいという人はいない。あらゆる病気の発生率は、タバコを吸う人のほうが高い。肺気腫なら2.2倍、肺ガンだと4.5倍、喉頭ガンだと33倍にもなる。
 喫煙者の近くにいる人がタバコの煙を吸う受動喫煙は、もっとたちが悪い。不完全燃焼の結果出てくる副流煙に含まれる有害物質は、主
流煙の数倍~数十倍とされる。
 日本の喫煙人口は約2500万人で、成人の4人に1人が吸っている勘定だ。徐々に減っているが、他の先進国に比べて格段に高い。しかも、20代、30代の女性に限れば、喫煙率は増える傾向にある。
 若いうちから吸い始めるほうが、ニコチンの依存度が高くなる傾向があり、それだけタバコをやめにくくなる。

精神疾患の場合は主治医と要相談
 「吸う場所が少なくなった」「白い目で見られる」などの理由で、最近タバコをやめようとする人も増えている。だがいざ、やめようとしても成功する人は多くない。
 いったん禁煙しても、宴席などで「一本くらいいいだろう」と吸ってしまう“一本お化け”の登場で、再び喫煙を始めてしまうことも少なくない。薬物などを使わない場合、禁煙に取り組んだ人が、1年後に禁煙に成功している確率は、2割程度とされている。
 禁煙を難しくしている原因の一つに、ニコチンへの“身体的依存”がある。喫煙者は血液中のニコチン濃度が下がると、ニコチンが欲しくなるのだ。
 もう一つは、“心理的依存”だ。タバコを吸う人は、口寂しかったり、手持ち無沙汰だったりで、つい吸ってしまう。
 習慣で、食事やコーヒーのあとに必ずタバコを吸いたくなる人は珍しくない。
 かつては禁煙しようと思っても、“根性”で頑張るしかなかったが、今では薬物治療やカウンセリングを受けられるようになり、比較的無理なく禁煙に取り組めるようになった。
 体に貼るパッチは、ニコチンの代替療法だ。タバコをやめるとニコチンの離脱症状が出るが、パッチを貼って体内のニコチン量を補い、緩やかに血中のニコチン濃度を下げていくことで、タバコをやめられるようにする。
 飲み薬の「チャンピックス」は、喫煙者の脳にあるニコチン受容体に結合すると、軽くタバコを吸ったような快感や満足感が得られ、ニコチン離脱症状が和らぐ。
 と同時に、もしタバコを吸ったとしても、ニコチンが受容体に結合するのを阻害するため、吸ってもおいしくない。この2つの作用が禁煙の効果をもたらす。
 禁煙ガムはガリッと噛んで、歯茎と頬の内側のあいだに置くのがコツ。どうしても吸いたい喫煙衝動に対応できるのは、日本ではガムしかない。海外ではパッチとガムを併用するといいという報告がある。
 ヘビースモーカーや過去に禁煙に失敗した人は、禁煙の成功率が高い病院での治療を受けたほうがいい。
 高い禁煙効果が得られるチャンピックスは、医療機関でしか処方されないし、医療用のパッチ「ニコチネル」にはOTC医薬品(大衆薬)にない含有量の多いものもある。心理的依存をいかに解消するかという点でも、病院では医師や看護師によるカウンセリングが受けられる。
 なお、施設基準など、一定の要件を満たした「禁煙外来」での禁煙治療には、健康保険が適用される。その場合、診察料や処方料などを含むトータルの費用は、飲み薬を使う治療が1万8000円程度、パッチの場合は1万2000円程度になる。
 注意したいのは、うつ病などの精神疾患がある人の禁煙だ。こうした人が禁煙すると、47%は精神疾患がよくなるが、逆に40%の人は悪くなるという海外での報告もある。
 精神科の主治医と連絡を取りながら、禁煙に取り組むようにして、もし精神状態が安定しないようなら、いったん禁煙を延期するのも選択肢だ。(『週刊ダイヤモンド』編集部 佐藤寛久)


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2009年01月14日 Posted bytonton at 16:49 │Comments(0)禁煙

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