日本も加盟しているWHOの「タバコ規制枠組み条約」では、「2010年2月までにすべての公共の建物内の完全禁煙」をガイドライン(指針)としています。子ども、家族、自分、大切な人がタバコの被害を受けない社会作りが必要だと思います。
動画CMコンテスト受賞作品(NPO法人日本禁煙学会)
禁煙治療のチャンスです!
今年こそ禁煙“治療”の勧め
たばこをやめたいと思っている人にとって、思い切って禁煙治療を始めて
みるのに今は絶好のタイミングかもしれない。というのも今年は、日本初
の新しい飲み薬タイプの禁煙補助薬が発売されたほか、これまで医療用医
薬品だったニコチンパッチ製剤にOTC薬(オーバー・ザ・カウンター・ドラ
ッグ,医師の処方せんがなくても購入できる一般用医薬品)が登場、薬局でも
手軽に買えるようになるなど、治療の選択肢が広がったからだ。
早速、弊社編集部でも、診療所で勧められて、発売直後の5月から新しい
飲み薬バレニクリン(商品名チャンピックス)を試した記者がいる。彼の
場合、これまで19年間、1日1箱(20本)のペースで吸い続けてきたという
が、12週間にわたる薬の服用期間が終了した9月現在も、「吸いたい気持ち
が全然起こらない」のだそうだ。禁煙治療の評価に重要とされる1年間の禁
煙維持にはまだ間があるが、とりあえず初挑戦にしてはなかなかの成果に
思える。
新しい飲み薬は非ニコチン製剤で、従来の禁煙補助薬とは作用機序が
全く異なる。つまり、この薬は、脳内のニコチン受容体にニコチンより高い
親和性を持って結合することで、喫煙により得られる満足感を抑制するな
どの効果を発揮するとされる。ただ、これは医療用医薬品なので、禁煙治
療を始めるには、医療機関で処方してもらう必要がある。禁煙に挑戦して
みたいが、病院に行くのが面倒くさい、あるいは時間がないという人の場
合は、まず薬局に行ってニコチンパッチを購入してみるのも手だろう。薬
剤師による対面指導を受けるのが望ましいが、気軽に禁煙治療を始めるに
はよさそうだ。
実際、喫煙者が禁煙の目的で医療機関を受診するのは、想像以上に敷居
が高いと指摘する専門家もいる。禁煙治療は2006年4月から保険の適用に
なり、同年6月にはニコチンパッチも薬価収載されて、日本でも医師による
治療を受けやすい環境が整った。それにもかかわらず、これまで医療機
関で保険診療による禁煙治療を受けた人は、日本の喫煙者人口約3000万人
のうち、わずか1~2%にすぎないと推測されている。
実は保険診療で禁煙治療を受けるためには、一定の基準が設けられて
いて、それを満たすことが必要となる。例えば、治療対象者の条件の一つに
「ブリンクマン指数(=1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上」が挙げら
れているが、このハードルも意外に厳しいという。前出の記者(40代)な
ら「20(本)×19(年)=380」と軽くクリアしているが、喫煙期間が短
い若い人、1日の喫煙本数が少ない女性などは基準を満たすことが難しく、
希望しても保険で治療を受けられるとは限らない。こうした理由もあり、
ニコチンパッチのOTC薬の登場は、若い人や女性、さらには医療機関
の受診に抵抗がある中高生などが、禁煙治療にアプローチしやすくな
るという点でも期待されている。
今年6月には、小学生の7.2%に喫煙経験があるという、兵庫県阪神北県
民局の驚くべき調査結果が報道された。さらに8月には、沖縄県石垣市で、
市内の小・中・高校生の喫煙者を対象に、ニコチンパッチを無料で提供
する試みを始めたというニュースが流れ、注目を集めた。
定期的にニコチン摂取を繰り返していると、ある時期以降から脳細胞は、
喫煙してニコチンを吸収することで、ようやく以前と同レベルの活動を維
持できるようになる。これが「ニコチン中毒」や「ニコチン依存」と呼ば
れる状態だが、成人では喫煙後5~10年で、未成年ではもっと早期にニコ
チン依存が形成されるという。喫煙の健康被害についてはここで言うまでもな
いが、大人がたばこを吸わなければ、小学生がたばこに手を出す、出せるよう
な環境もないはずだ。 前述した以外にも、禁煙治療にはまだ課題も少なくない。
例えば、保険による禁煙治療は12週間しか認められていないこともその一つだ。
もし治療終了後に再び喫煙を始めてしまった場合、再度保険による禁煙治療を受
けたいと思っても、最初に治療を開始した日から1年後まで待たなければ
ならない。とはいうものの、2007年10月に中央社会保険医療協議会(中医
協)がまとめた調査結果によれば、医療機関で禁煙治療を受けた患者のう
ち、32.6%もの人が治療開始から1年後も禁煙を継続していたという。調
査対象者はヘビースモーカーが多い(ブリンクマン指数200以上で、うち
7割が500以上)ことを考えると、この数字は決して低くないように思う。
医療機関、薬局、いずれを選択するにせよ、喫煙者の人はこの機会にぜひ、
禁煙“治療”にチャレンジしてみてはいかがだろうか。
瀬川 博子(せがわ ひろこ)
1982年国際基督教大学教養学部理学科卒。日本ロシュ研究所(現・中外製
薬鎌倉研究所)勤務を経て、88年日経BP社に入社。雑誌「日経メディカル」
編集部で長年にわたり、医学・医療分野、特に臨床記事の取材・執筆や編
集を手がける。現在は日経メディカル開発編集長として、製薬企業の広報
誌など医師向けの各種媒体の企画・編集を担当。NEDO(新エネルギー・産
業技術総合開発機構)技術委員。
たばこをやめたいと思っている人にとって、思い切って禁煙治療を始めて
みるのに今は絶好のタイミングかもしれない。というのも今年は、日本初
の新しい飲み薬タイプの禁煙補助薬が発売されたほか、これまで医療用医
薬品だったニコチンパッチ製剤にOTC薬(オーバー・ザ・カウンター・ドラ
ッグ,医師の処方せんがなくても購入できる一般用医薬品)が登場、薬局でも
手軽に買えるようになるなど、治療の選択肢が広がったからだ。
早速、弊社編集部でも、診療所で勧められて、発売直後の5月から新しい
飲み薬バレニクリン(商品名チャンピックス)を試した記者がいる。彼の
場合、これまで19年間、1日1箱(20本)のペースで吸い続けてきたという
が、12週間にわたる薬の服用期間が終了した9月現在も、「吸いたい気持ち
が全然起こらない」のだそうだ。禁煙治療の評価に重要とされる1年間の禁
煙維持にはまだ間があるが、とりあえず初挑戦にしてはなかなかの成果に
思える。
新しい飲み薬は非ニコチン製剤で、従来の禁煙補助薬とは作用機序が
全く異なる。つまり、この薬は、脳内のニコチン受容体にニコチンより高い
親和性を持って結合することで、喫煙により得られる満足感を抑制するな
どの効果を発揮するとされる。ただ、これは医療用医薬品なので、禁煙治
療を始めるには、医療機関で処方してもらう必要がある。禁煙に挑戦して
みたいが、病院に行くのが面倒くさい、あるいは時間がないという人の場
合は、まず薬局に行ってニコチンパッチを購入してみるのも手だろう。薬
剤師による対面指導を受けるのが望ましいが、気軽に禁煙治療を始めるに
はよさそうだ。
実際、喫煙者が禁煙の目的で医療機関を受診するのは、想像以上に敷居
が高いと指摘する専門家もいる。禁煙治療は2006年4月から保険の適用に
なり、同年6月にはニコチンパッチも薬価収載されて、日本でも医師による
治療を受けやすい環境が整った。それにもかかわらず、これまで医療機
関で保険診療による禁煙治療を受けた人は、日本の喫煙者人口約3000万人
のうち、わずか1~2%にすぎないと推測されている。
実は保険診療で禁煙治療を受けるためには、一定の基準が設けられて
いて、それを満たすことが必要となる。例えば、治療対象者の条件の一つに
「ブリンクマン指数(=1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上」が挙げら
れているが、このハードルも意外に厳しいという。前出の記者(40代)な
ら「20(本)×19(年)=380」と軽くクリアしているが、喫煙期間が短
い若い人、1日の喫煙本数が少ない女性などは基準を満たすことが難しく、
希望しても保険で治療を受けられるとは限らない。こうした理由もあり、
ニコチンパッチのOTC薬の登場は、若い人や女性、さらには医療機関
の受診に抵抗がある中高生などが、禁煙治療にアプローチしやすくな
るという点でも期待されている。
今年6月には、小学生の7.2%に喫煙経験があるという、兵庫県阪神北県
民局の驚くべき調査結果が報道された。さらに8月には、沖縄県石垣市で、
市内の小・中・高校生の喫煙者を対象に、ニコチンパッチを無料で提供
する試みを始めたというニュースが流れ、注目を集めた。
定期的にニコチン摂取を繰り返していると、ある時期以降から脳細胞は、
喫煙してニコチンを吸収することで、ようやく以前と同レベルの活動を維
持できるようになる。これが「ニコチン中毒」や「ニコチン依存」と呼ば
れる状態だが、成人では喫煙後5~10年で、未成年ではもっと早期にニコ
チン依存が形成されるという。喫煙の健康被害についてはここで言うまでもな
いが、大人がたばこを吸わなければ、小学生がたばこに手を出す、出せるよう
な環境もないはずだ。 前述した以外にも、禁煙治療にはまだ課題も少なくない。
例えば、保険による禁煙治療は12週間しか認められていないこともその一つだ。
もし治療終了後に再び喫煙を始めてしまった場合、再度保険による禁煙治療を受
けたいと思っても、最初に治療を開始した日から1年後まで待たなければ
ならない。とはいうものの、2007年10月に中央社会保険医療協議会(中医
協)がまとめた調査結果によれば、医療機関で禁煙治療を受けた患者のう
ち、32.6%もの人が治療開始から1年後も禁煙を継続していたという。調
査対象者はヘビースモーカーが多い(ブリンクマン指数200以上で、うち
7割が500以上)ことを考えると、この数字は決して低くないように思う。
医療機関、薬局、いずれを選択するにせよ、喫煙者の人はこの機会にぜひ、
禁煙“治療”にチャレンジしてみてはいかがだろうか。
瀬川 博子(せがわ ひろこ)
1982年国際基督教大学教養学部理学科卒。日本ロシュ研究所(現・中外製
薬鎌倉研究所)勤務を経て、88年日経BP社に入社。雑誌「日経メディカル」
編集部で長年にわたり、医学・医療分野、特に臨床記事の取材・執筆や編
集を手がける。現在は日経メディカル開発編集長として、製薬企業の広報
誌など医師向けの各種媒体の企画・編集を担当。NEDO(新エネルギー・産
業技術総合開発機構)技術委員。
●スマートフォンやiPadで喫煙コントロール
●Twitter利用 禁煙サポートサイト「キンツブ」
●「約8割が卒煙する」と専門医 禁断症状を軽減
●ドイツの保険会社、“新年に禁煙を決意した人”のカレンダー
●電子たばこや禁煙用あめにもエビデンスを―米医学研究所
●禁煙補助薬「チャンピックス」で自殺リスク8.4倍
●Twitter利用 禁煙サポートサイト「キンツブ」
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●禁煙補助薬「チャンピックス」で自殺リスク8.4倍
2008年12月09日 Posted bytonton at 09:37 │Comments(0) │禁煙
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