日本も加盟しているWHOの「タバコ規制枠組み条約」では、「2010年2月までにすべての公共の建物内の完全禁煙」をガイドライン(指針)としています。子ども、家族、自分、大切な人がタバコの被害を受けない社会作りが必要だと思います。
動画CMコンテスト受賞作品(NPO法人日本禁煙学会)
●ギリシャ/ 禁煙法先送りの口実
危機下ギリシャ、禁煙法先送りの口実
【SankeiBiz】
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/101110/mcb1011100504014-n1.htm
欧州で最もヘビースモーカーが多いギリシャでは、9月1日からバーや居酒屋など公共の場での喫煙が禁止されている。しかし冬が近づく10月に入ってから、店主らはこの法律に反抗して屋内のテーブルに再び灰皿を置き始めている。
アテネのレストラン経営者、ペトロス・ミグドス氏(50)は一服しながら「たばこを減らすのは良いことだという点には賛成する。でも経済が厳しい今、それを実施するのはタイミングが悪い」と述べた。
ギリシャは、過去2年の経済危機の間にたばこを禁止した欧州で唯一の国である。同国の経済は1100億ユーロ(約12兆3600億円)の国際的融資を要するまでに逼迫(ひっぱく)しており、経済の立て直しを目指すパパンドレウ首相の下で、同国の消費者や企業は欧州で最も厳しい増税と支出削減を堪え忍んでいる。
国内12万1000軒のレストランやバーを代表する全ギリシャ・レストランおよび関連業連盟は、10月18日以来、灰皿をテーブルに戻すよう加盟店に強く求めている。
◆増税と“二重苦”
1日約20本のたばこを吸うという公務員のジョージ・レゾスさん(52)は、アテネ近郊の都市ビロンにあるカフェの屋外席で一服しながら「禁煙が人々に受け入れられるまでには長い時間がかかるだろう。われわれギリシャ人には、何かを押しつけようとする法律には抵抗したくなる性質がある」と述べた。
ギリシャ政府の予測によれば、同国経済は今年4%縮小、来年は2.6%縮小する見通し。パパンドレウ政権は、欧州で2番目の規模に膨らんだ財政赤字を削減するため、たばこ、アルコール、燃料の税率を引き上げている。たばこ(20本)の場合は1月以降3度に分けて60セント値上がりし、3.8ユーロになった。
10月22日に公開された世論調査会社GPOの調査によれば、政府を支持しないと答えた有権者は5000人中67%で、8月時点の57%から増加している。
ティモシディス保健・福祉相は10月26日の記者会見で、新しい禁煙法をめぐっては、国民に忍耐を求めた。同相は「われわれが議論しているのは、ギリシャ国民の文化や習慣を変える法律だ。困難が生じるだろうということは否定しない。法律に従わない店は存在するが、従っている店も多い」と述べた。
米ハーバード大学公衆衛生大学院と協力し、ギリシャ政府の禁煙政策の草案作りに携わったクレタ大学のコンスタンティヌス・バルダバス教授は、ギリシャの経済状況を禁煙法先延ばしの言い訳に使うべきではないと主張する。保健・福祉省によれば、ギリシャの喫煙率は欧州連合(EU)最高で、年間約2万人が喫煙に関連する疾病で死亡している。そして喫煙に関する政府の保健費用は、合計21億ユーロに及ぶ。
◆失敗の繰り返し
バルダバス教授は「禁煙法に対して反対が起こることは予想できた。しかし、われわれが取り組んでいることは何か。経済が厳しいからといって、次の10年間の公衆衛生を放棄することだろうか?」と述べた。
全国的にバーやレストランの禁煙を求める法律は、欧州では2004年にアイルランドで始まり、2年間でノルウェー、イタリア、スコットランドなどに拡大。その後、英国やフランスにも広がった。
ギリシャの禁煙法では、公共・民間の閉ざされた職場での喫煙を禁止するもの。また、面積が300平方メートルを超え、ライブミュージックを聴かせるカジノやナイトクラブには、法の適用までに8カ月の猶予期間が与えられた。
喫煙者個人への罰金は50ユーロから始まり、違反を繰り返した者には最高500ユーロが科される。法律に違反した法人については、最高1万ユーロが科される。
ギリシャ国民の禁煙法反対の歴史は1856年にさかのぼり、オットー王とアマリア女王が国の建物内での喫煙を禁じたときにも反抗した。また、前政権による09年の禁煙の取り組みは失敗に終わっている。レストラン経営者のミグドス氏は、パパンドレウ首相は経済が持ち直すまで2年間の猶予を認めるべきだと述べた。同氏は「結婚式や洗礼式で店に100人の予約が入ったとしても、禁煙法のせいでその半分しか来店しない。たとえ来店しても、早々に帰ってしまう人もいる」と嘆いた。
調査会社マルク(アテネ)が実施した7月15~28日の調査によれば、10年後半は景気低迷と増税が消費者の支出を直撃し、小規模な企業は資金繰りや収入減少の問題に直面するとみられる。同調査では、回答した960社のうち78%が10年上期に収入が減少したと答え、66%が下期に上期以上の収入減少を見込んでいた。
ミグドス氏は「政治家はわれわれが現実に経験していることを理解しようとしない。経済危機の折にこんな政策を進めるなど、愚かなことだ。小さな子供でさえ分かりそうなものだ」と訴えた。(ブルームバーグ Tom Stoukas)
【写真】欧州一の喫煙大国であるギリシャ。街で見られる広告も非常に目立つが9月1日からは飲食店では法律で禁煙になった
(GettyImages)
【SankeiBiz】
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/101110/mcb1011100504014-n1.htm
欧州で最もヘビースモーカーが多いギリシャでは、9月1日からバーや居酒屋など公共の場での喫煙が禁止されている。しかし冬が近づく10月に入ってから、店主らはこの法律に反抗して屋内のテーブルに再び灰皿を置き始めている。
アテネのレストラン経営者、ペトロス・ミグドス氏(50)は一服しながら「たばこを減らすのは良いことだという点には賛成する。でも経済が厳しい今、それを実施するのはタイミングが悪い」と述べた。
ギリシャは、過去2年の経済危機の間にたばこを禁止した欧州で唯一の国である。同国の経済は1100億ユーロ(約12兆3600億円)の国際的融資を要するまでに逼迫(ひっぱく)しており、経済の立て直しを目指すパパンドレウ首相の下で、同国の消費者や企業は欧州で最も厳しい増税と支出削減を堪え忍んでいる。
国内12万1000軒のレストランやバーを代表する全ギリシャ・レストランおよび関連業連盟は、10月18日以来、灰皿をテーブルに戻すよう加盟店に強く求めている。
◆増税と“二重苦”
1日約20本のたばこを吸うという公務員のジョージ・レゾスさん(52)は、アテネ近郊の都市ビロンにあるカフェの屋外席で一服しながら「禁煙が人々に受け入れられるまでには長い時間がかかるだろう。われわれギリシャ人には、何かを押しつけようとする法律には抵抗したくなる性質がある」と述べた。
ギリシャ政府の予測によれば、同国経済は今年4%縮小、来年は2.6%縮小する見通し。パパンドレウ政権は、欧州で2番目の規模に膨らんだ財政赤字を削減するため、たばこ、アルコール、燃料の税率を引き上げている。たばこ(20本)の場合は1月以降3度に分けて60セント値上がりし、3.8ユーロになった。
10月22日に公開された世論調査会社GPOの調査によれば、政府を支持しないと答えた有権者は5000人中67%で、8月時点の57%から増加している。
ティモシディス保健・福祉相は10月26日の記者会見で、新しい禁煙法をめぐっては、国民に忍耐を求めた。同相は「われわれが議論しているのは、ギリシャ国民の文化や習慣を変える法律だ。困難が生じるだろうということは否定しない。法律に従わない店は存在するが、従っている店も多い」と述べた。
米ハーバード大学公衆衛生大学院と協力し、ギリシャ政府の禁煙政策の草案作りに携わったクレタ大学のコンスタンティヌス・バルダバス教授は、ギリシャの経済状況を禁煙法先延ばしの言い訳に使うべきではないと主張する。保健・福祉省によれば、ギリシャの喫煙率は欧州連合(EU)最高で、年間約2万人が喫煙に関連する疾病で死亡している。そして喫煙に関する政府の保健費用は、合計21億ユーロに及ぶ。
◆失敗の繰り返し
バルダバス教授は「禁煙法に対して反対が起こることは予想できた。しかし、われわれが取り組んでいることは何か。経済が厳しいからといって、次の10年間の公衆衛生を放棄することだろうか?」と述べた。
全国的にバーやレストランの禁煙を求める法律は、欧州では2004年にアイルランドで始まり、2年間でノルウェー、イタリア、スコットランドなどに拡大。その後、英国やフランスにも広がった。
ギリシャの禁煙法では、公共・民間の閉ざされた職場での喫煙を禁止するもの。また、面積が300平方メートルを超え、ライブミュージックを聴かせるカジノやナイトクラブには、法の適用までに8カ月の猶予期間が与えられた。
喫煙者個人への罰金は50ユーロから始まり、違反を繰り返した者には最高500ユーロが科される。法律に違反した法人については、最高1万ユーロが科される。
ギリシャ国民の禁煙法反対の歴史は1856年にさかのぼり、オットー王とアマリア女王が国の建物内での喫煙を禁じたときにも反抗した。また、前政権による09年の禁煙の取り組みは失敗に終わっている。レストラン経営者のミグドス氏は、パパンドレウ首相は経済が持ち直すまで2年間の猶予を認めるべきだと述べた。同氏は「結婚式や洗礼式で店に100人の予約が入ったとしても、禁煙法のせいでその半分しか来店しない。たとえ来店しても、早々に帰ってしまう人もいる」と嘆いた。
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(GettyImages)
●露/ たばこの消費税増税法案
●安いたばこ求めスモーカーがベルギーに殺到?
●ギリシャ/ 特別税払えば店内喫煙OK=赤字削減へ苦肉の策
●ベルギー/ 公務員、喫煙時間を給料から差し引き
◎ロシア タバコの箱に衝撃的な画像の掲載を検討
●スペイン版『ヘアー』に罰金の警告、禁煙法違反で
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2010年11月12日 Posted bytonton at 21:12 │Comments(0) │その他のヨーロッパ
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