日本も加盟しているWHOの「タバコ規制枠組み条約」では、「2010年2月までにすべての公共の建物内の完全禁煙」をガイドライン(指針)としています。子ども、家族、自分、大切な人がタバコの被害を受けない社会作りが必要だと思います。
動画CMコンテスト受賞作品(NPO法人日本禁煙学会)
社説各社/ 朝日・琉球神新報・八重山毎日
たばこ値上げ―喫煙者のためにもなる/朝日新聞社説
http://www.asahi.com/paper/editorial20101004.html#Edit2
たばこが値上げされた。1箱300円が400円以上になった。
価格を上げて喫煙者を減らす。それによって本人はもちろん、周囲の人の健康も守る。そういうねらいだ。
これを機に禁煙に挑んではどうだろう。財布も助かる。
本人の喫煙が原因で肺がんなどの病気で亡くなる人は、1年に13万人以上にのぼる。
それとは別に、他人の煙を吸わされる受動喫煙の被害について厚生労働省の研究班が先月、推計を発表した。
因果関係がはっきりしている肺がんと虚血性心疾患だけでも、毎年6800人が亡くなっているようだ。
昨年5千人を切った交通事故の死者をはるかに上回る人が、他人の喫煙のせいで死んでいることになる。
喫煙者が減れば、これらの死者は確実に減る。命を守るうえで禁煙は、最も重要な対策なのである。
自民党政権の時代は、たばこ税収入を守りたい財務省やたばこ族議員の意向を受けて、たばこ価格は低く抑えられてきた。今回、健康を目的にした値上げが実現したのは、政権交代による成果の一つといっていい。
日本の喫煙率は男性で約4割と、なお高い。女性は約1割だが、若い女性で増えているのが気がかりだ。たばこ大国を抜け出す政策を進めたい。
日本のたばこは、ほかの先進国と比べてまだ格段に安い。今回を一歩として、将来は1箱千円も考えよう。
社会の禁煙化も進めたい。受動喫煙の被害を防ぎ、吸いにくい環境にすれば禁煙する人の支えにもなる。
世界保健機関のたばこ規制枠組み条約は「たばこの煙にさらされることからの保護」を定め、職場や飲食店も含む公共空間の完全禁煙の法制化を求めている。喫煙室を設けるなどの分煙ではなく、完全な禁煙だけが健康を守る、とする。世界各国でバーやレストランなども含めて、人が集まる場所の禁煙化が進んでいる。
この条約は日本も批准しているが、受動喫煙防止策として分煙を認めているうえ、努力義務にとどまる。
事業所を対象にした厚労省の2007年の調査では、事業所全体の禁煙は18%、喫煙室以外禁煙の分煙は28%で、対策なしが54%と過半数だった。これでは働く人の健康は守れない。
厚労省の審議会は、多くの人が利用する公共空間は禁煙とするべきだとの報告を受け、職場での受動喫煙防止を法制化する議論を始めた。条約が求めている方向である。
国に先駆けて受動喫煙防止条例を今年4月に施行したのが神奈川県だ。飲食店やホテルも規模によって対象とし、横浜中華街でも禁煙の店が出てきた。空気がきれいなら、食事もきっとおいしいはずだ。
たばこ値上げ 禁煙する絶好の機会だ/琉球新報社説
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-168426-storytopic-11.html
たばこが1日から大幅に値上げされた。1箱300円だった代表的銘柄の「マイルドセブン」が一気に410円になった。愛煙家にとっては懐を直撃する踏んだりけったりの事態だが、嘆いてばかりいても始まらない。
「災いを転じて福となす」ということわざを思い起こしてほしい。今回の値上げを好機ととらえ、禁煙に挑戦してはどうか。がんや脳卒中などのリスクが減り、財布も膨らむ。
たばこを吸う人が減れば、その分、喫煙に起因する疾病が減少し、医療費の抑制につながる。結果的には、多くの国民に利益をもたらすに違いない。
喫煙が健康に悪い影響を及ぼすことは、医学的に証明された周知の事実だ。だからこそ、たばこの包装に「喫煙者は肺がんにより死亡する危険性が非喫煙者に比べて約2倍から4倍高くなります」「妊娠中の喫煙は、胎児の発育障害や早産の原因の一つとなります」といった警告を表示することが義務付けられている。
もちろん、喫煙するのもやめるのも個人の自由だ。干渉するわけにはいかない。ただ、たばこを吸いすぎて病気になった人の医療費も国民全体で負担する。非喫煙者にとっても決して人ごとではない。
「たばこは文化である」と指摘する向きもあるが、自らの体をむしばむ「文化」まで大切にする必要があるのか。疑問が残る。
愛煙家は発想を180度切り替え、たばこ増税を千載一遇の機会と受け止めてはどうか。やめた当初は一時的にストレスがたまるかもしれない。苦しい時期さえ乗り切れば、たばこのない生活に慣れるだろう。
禁煙に成功した人からは「たばこやライターを持ち歩かずに済むので身軽になった」「どうして今までやめられなかったのか」という声が聞かれる。
たとえ禁煙に失敗したとしても「自分は意志が弱いんだ」と悲観する必要はない。自力でやめられないのはニコチン依存症にかかっているためで、意志力のせいではないからだ。
そんな人はあきらめず病院の禁煙外来を受診してほしい。禁煙補助剤のニコチンパッチやガムなどを使えば成功率が高まるはずだ。
政府は、禁煙促進と並行し、たばこ産業や葉タバコ生産農家の救済、転業のための施策もしっかりと講じるべきだ。
たばこをやめて旅行に行こう/八重山毎日新聞社説
http://www.y-mainichi.co.jp/news/16910/
大幅値上げで「禁煙」組が続々
■たばこ代は年間22万円
確か大分県の一村一品運動だったと思う。20年ほど前に大山町という町が「桃栗植えてハワイへ行こう」という運動を展開していたことが記憶にある。現に行ったことも聞いた。
八重山も1日からたばこが大幅アップしたし、このキャッチフレーズでどうだろうか。この際たばこをやめてハワイでも国内旅行でもどこへでも行ってもらいたい。
決してできないことではない。一般的に良く吸われているマイルドセブンは110円アップして410円になった。これを毎日1箱吸う人は1年365日で年間約15万円。セブンスターは440円なので約16万円となる。
ヘビースモーカーだと1日2箱は吸い、酒を飲むときは3箱も吸う。これを1日平均1箱半として年22万円余となる。これだとたいていのところは旅行に行ける。そうでなくとも家族でおいしいものが食べられる。
たばこをやめることで自分だけでなく、家族や職場など周りの人もがんなどの健康リスクが激減し、家計も助かる。そして禁煙で食事もおいしく、浮いた金で多少のことは旅行でも何でもできる。こんなみんながハッピーになれる禁煙は、絶対に挑戦の価値があるし、ぜひ多くの喫煙者が挑戦してほしい。すでに始めた人は、ぜひがんばって成功してほしいとエールを送りたい。
■早い人は1ヵ月半で成功
とはいっても禁煙がそう簡単でないのは百も承知だ。それというのも喫煙は麻薬などと同じような「ニコチン中毒症」という病気だからだ。だから多くの喫煙者が健康に悪いからとやめたいと思っていてもなかなかやめられないし、挑戦して失敗した人も周りには多い。それほど自らの精神力、意志でやめるというのは難しい。
そこで近年は病院に禁煙外来が設けられ、さらに朝張り、夜寝るときにはがす市販のニコチンパッチや飲み薬など多様な禁煙補助剤も出ており、さすがに今回は値上げが大幅ということもあって、全国的に禁煙の問い合わせが増えているようだ。
八重山も西表大原、小浜、波照間の各診療所をはじめ、市内の主な開業医が医療保険OKで禁煙外来を行い、さらに薬局もほとんどが相談を受け付け、サポート体制は比較的整っている。迷っている人はぜひ相談してほしい。
関係者の話だとパッチは8週間、禁煙外来は飲み薬などを処方して12週間を1クールで禁煙指導をしているが、早い人は1カ月半で「まったく吸いたくない」と成果が出ているという。
■娘さんはぜひ勧めて
喫煙の健康リスクはいうまでもないが、さらに受動喫煙では肺がんや心筋梗塞などを引き起こして年間6800人が死亡しているというショッキングな調査結果が、このほど厚労省から初めて発表された。喫煙者は強く肝に銘じるべき調査結果といえるだろう。
ところで今回の値上げで53%の人が禁煙に挑戦という調査結果が出ていたが、うれしいことに都道府県別では沖縄が63.5%でトップだった。また別の調査では喫煙男性の半数は娘に勧められれば禁煙したいとも答えており、娘さんは前記の受動喫煙のこともあるし、ぜひ禁煙を勧めてほしい。
禁煙は確かに難しいことだが、2カ月先あるいは何カ月か先に健康のリスクも減り、浮いた金で旅行もできる、そんなみんなが少しはハッピーな気分になれる生活が待っていると思うと、きっとがんばれるはずだ。値上げを禁煙のきっかけにしてほしい。
http://www.asahi.com/paper/editorial20101004.html#Edit2
たばこが値上げされた。1箱300円が400円以上になった。
価格を上げて喫煙者を減らす。それによって本人はもちろん、周囲の人の健康も守る。そういうねらいだ。
これを機に禁煙に挑んではどうだろう。財布も助かる。
本人の喫煙が原因で肺がんなどの病気で亡くなる人は、1年に13万人以上にのぼる。
それとは別に、他人の煙を吸わされる受動喫煙の被害について厚生労働省の研究班が先月、推計を発表した。
因果関係がはっきりしている肺がんと虚血性心疾患だけでも、毎年6800人が亡くなっているようだ。
昨年5千人を切った交通事故の死者をはるかに上回る人が、他人の喫煙のせいで死んでいることになる。
喫煙者が減れば、これらの死者は確実に減る。命を守るうえで禁煙は、最も重要な対策なのである。
自民党政権の時代は、たばこ税収入を守りたい財務省やたばこ族議員の意向を受けて、たばこ価格は低く抑えられてきた。今回、健康を目的にした値上げが実現したのは、政権交代による成果の一つといっていい。
日本の喫煙率は男性で約4割と、なお高い。女性は約1割だが、若い女性で増えているのが気がかりだ。たばこ大国を抜け出す政策を進めたい。
日本のたばこは、ほかの先進国と比べてまだ格段に安い。今回を一歩として、将来は1箱千円も考えよう。
社会の禁煙化も進めたい。受動喫煙の被害を防ぎ、吸いにくい環境にすれば禁煙する人の支えにもなる。
世界保健機関のたばこ規制枠組み条約は「たばこの煙にさらされることからの保護」を定め、職場や飲食店も含む公共空間の完全禁煙の法制化を求めている。喫煙室を設けるなどの分煙ではなく、完全な禁煙だけが健康を守る、とする。世界各国でバーやレストランなども含めて、人が集まる場所の禁煙化が進んでいる。
この条約は日本も批准しているが、受動喫煙防止策として分煙を認めているうえ、努力義務にとどまる。
事業所を対象にした厚労省の2007年の調査では、事業所全体の禁煙は18%、喫煙室以外禁煙の分煙は28%で、対策なしが54%と過半数だった。これでは働く人の健康は守れない。
厚労省の審議会は、多くの人が利用する公共空間は禁煙とするべきだとの報告を受け、職場での受動喫煙防止を法制化する議論を始めた。条約が求めている方向である。
国に先駆けて受動喫煙防止条例を今年4月に施行したのが神奈川県だ。飲食店やホテルも規模によって対象とし、横浜中華街でも禁煙の店が出てきた。空気がきれいなら、食事もきっとおいしいはずだ。
たばこ値上げ 禁煙する絶好の機会だ/琉球新報社説
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-168426-storytopic-11.html
たばこが1日から大幅に値上げされた。1箱300円だった代表的銘柄の「マイルドセブン」が一気に410円になった。愛煙家にとっては懐を直撃する踏んだりけったりの事態だが、嘆いてばかりいても始まらない。
「災いを転じて福となす」ということわざを思い起こしてほしい。今回の値上げを好機ととらえ、禁煙に挑戦してはどうか。がんや脳卒中などのリスクが減り、財布も膨らむ。
たばこを吸う人が減れば、その分、喫煙に起因する疾病が減少し、医療費の抑制につながる。結果的には、多くの国民に利益をもたらすに違いない。
喫煙が健康に悪い影響を及ぼすことは、医学的に証明された周知の事実だ。だからこそ、たばこの包装に「喫煙者は肺がんにより死亡する危険性が非喫煙者に比べて約2倍から4倍高くなります」「妊娠中の喫煙は、胎児の発育障害や早産の原因の一つとなります」といった警告を表示することが義務付けられている。
もちろん、喫煙するのもやめるのも個人の自由だ。干渉するわけにはいかない。ただ、たばこを吸いすぎて病気になった人の医療費も国民全体で負担する。非喫煙者にとっても決して人ごとではない。
「たばこは文化である」と指摘する向きもあるが、自らの体をむしばむ「文化」まで大切にする必要があるのか。疑問が残る。
愛煙家は発想を180度切り替え、たばこ増税を千載一遇の機会と受け止めてはどうか。やめた当初は一時的にストレスがたまるかもしれない。苦しい時期さえ乗り切れば、たばこのない生活に慣れるだろう。
禁煙に成功した人からは「たばこやライターを持ち歩かずに済むので身軽になった」「どうして今までやめられなかったのか」という声が聞かれる。
たとえ禁煙に失敗したとしても「自分は意志が弱いんだ」と悲観する必要はない。自力でやめられないのはニコチン依存症にかかっているためで、意志力のせいではないからだ。
そんな人はあきらめず病院の禁煙外来を受診してほしい。禁煙補助剤のニコチンパッチやガムなどを使えば成功率が高まるはずだ。
政府は、禁煙促進と並行し、たばこ産業や葉タバコ生産農家の救済、転業のための施策もしっかりと講じるべきだ。
たばこをやめて旅行に行こう/八重山毎日新聞社説
http://www.y-mainichi.co.jp/news/16910/
大幅値上げで「禁煙」組が続々
■たばこ代は年間22万円
確か大分県の一村一品運動だったと思う。20年ほど前に大山町という町が「桃栗植えてハワイへ行こう」という運動を展開していたことが記憶にある。現に行ったことも聞いた。
八重山も1日からたばこが大幅アップしたし、このキャッチフレーズでどうだろうか。この際たばこをやめてハワイでも国内旅行でもどこへでも行ってもらいたい。
決してできないことではない。一般的に良く吸われているマイルドセブンは110円アップして410円になった。これを毎日1箱吸う人は1年365日で年間約15万円。セブンスターは440円なので約16万円となる。
ヘビースモーカーだと1日2箱は吸い、酒を飲むときは3箱も吸う。これを1日平均1箱半として年22万円余となる。これだとたいていのところは旅行に行ける。そうでなくとも家族でおいしいものが食べられる。
たばこをやめることで自分だけでなく、家族や職場など周りの人もがんなどの健康リスクが激減し、家計も助かる。そして禁煙で食事もおいしく、浮いた金で多少のことは旅行でも何でもできる。こんなみんながハッピーになれる禁煙は、絶対に挑戦の価値があるし、ぜひ多くの喫煙者が挑戦してほしい。すでに始めた人は、ぜひがんばって成功してほしいとエールを送りたい。
■早い人は1ヵ月半で成功
とはいっても禁煙がそう簡単でないのは百も承知だ。それというのも喫煙は麻薬などと同じような「ニコチン中毒症」という病気だからだ。だから多くの喫煙者が健康に悪いからとやめたいと思っていてもなかなかやめられないし、挑戦して失敗した人も周りには多い。それほど自らの精神力、意志でやめるというのは難しい。
そこで近年は病院に禁煙外来が設けられ、さらに朝張り、夜寝るときにはがす市販のニコチンパッチや飲み薬など多様な禁煙補助剤も出ており、さすがに今回は値上げが大幅ということもあって、全国的に禁煙の問い合わせが増えているようだ。
八重山も西表大原、小浜、波照間の各診療所をはじめ、市内の主な開業医が医療保険OKで禁煙外来を行い、さらに薬局もほとんどが相談を受け付け、サポート体制は比較的整っている。迷っている人はぜひ相談してほしい。
関係者の話だとパッチは8週間、禁煙外来は飲み薬などを処方して12週間を1クールで禁煙指導をしているが、早い人は1カ月半で「まったく吸いたくない」と成果が出ているという。
■娘さんはぜひ勧めて
喫煙の健康リスクはいうまでもないが、さらに受動喫煙では肺がんや心筋梗塞などを引き起こして年間6800人が死亡しているというショッキングな調査結果が、このほど厚労省から初めて発表された。喫煙者は強く肝に銘じるべき調査結果といえるだろう。
ところで今回の値上げで53%の人が禁煙に挑戦という調査結果が出ていたが、うれしいことに都道府県別では沖縄が63.5%でトップだった。また別の調査では喫煙男性の半数は娘に勧められれば禁煙したいとも答えており、娘さんは前記の受動喫煙のこともあるし、ぜひ禁煙を勧めてほしい。
禁煙は確かに難しいことだが、2カ月先あるいは何カ月か先に健康のリスクも減り、浮いた金で旅行もできる、そんなみんなが少しはハッピーな気分になれる生活が待っていると思うと、きっとがんばれるはずだ。値上げを禁煙のきっかけにしてほしい。
●喫煙者率、過去最低、海外では「たばこ休憩禁止」の動きも
●喫煙率の目標 個人の健康後押しする観点で/社説
●埼玉/ 受動喫煙
●社説:たばこ税 健康のために禁煙策を
◎【社説】受動喫煙/職場の防止に対策強化を
◎【あなたの処方せん:新禁煙事情1~3】
●喫煙率の目標 個人の健康後押しする観点で/社説
●埼玉/ 受動喫煙
●社説:たばこ税 健康のために禁煙策を
◎【社説】受動喫煙/職場の防止に対策強化を
◎【あなたの処方せん:新禁煙事情1~3】
2010年10月15日 Posted bytonton at 12:30 │Comments(0) │●コラム・投稿・社説
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