世界で推定毎年20万人の労働者が職場での受動喫煙により命を落としている。受動喫煙に安全なレベルはない。全面禁煙の実施が受動喫煙の被害から人々を守る唯一の効果的な方法だ。(by WHO)

日本も加盟しているWHOの「タバコ規制枠組み条約」では、「2010年2月までにすべての公共の建物内の完全禁煙」をガイドライン(指針)としています。子ども、家族、自分、大切な人がタバコの被害を受けない社会作りが必要だと思います。

                
 動画CMコンテスト受賞作品(NPO法人日本禁煙学会)


   

●埼玉/ 受動喫煙

【埼玉】 《連載・医のおはなし》 受動喫煙
【朝日新聞社】
http://www.asahi.com/health/news/TKY201110040425.html
(医療法人自然堂峯小児科 峯真人院長)

◆ 子供に多大な害 禁煙努力を ◆

 最近、「禁煙」という文字をあちこちで見かけるようになり、喫煙による害も明らかにされてきました。

 しかし、禁煙の重要性を説く情報の多くは、喫煙者本人をたばこの害から守るためのもの。喫煙者の周りで煙を吸ってしまう「受動喫煙」の害についての情報は、同じ職場や公共施設などで不快に感じた大人に関するものがほとんどです。受動喫煙に対して物言えぬ子どもたちこそ、その害が大変大きいのです。

 受動喫煙の被害を受ける子どもたちは、赤ちゃんから思春期の中高生まで全ての年齢層にわたりますが、決して忘れてはならないのは、お母さんのおなかの中にいる胎児です。

 まず、妊娠中に母親が喫煙を続けた場合、胎児期から生後の時期に及ぼす悪影響として、流産や早産、低体重児が多くなります。口唇口蓋(こうがい)裂や斜視になりやすくなり、小児がんや脳出血、乳幼児突然死症候群の危険性も高まります。身長や体重、知能の発達が遅れたり、行動異常が現れたり、キレる子が多くなったりします。女児は将来、不妊になりやすくなってしまいます。

 さらに、生後からの受動喫煙による害として、乳幼児突然死症候群の原因になり、喘息(ぜんそく)や呼吸器疾患、中耳炎などが増え、病気で入院する割合が高くなります。身長がなかなか伸びず、知能の発達が遅れ、成人後に発がんする率も高くなります。

 このように、受動喫煙による子どもたちへの多くの害が、医学的研究や調査で分かってきています。受動喫煙とは別ですが、大人がおいしそうにくわえているたばこを食べてしまい、病院に運ばれてくる赤ちゃんが数多くいることも忘れてはいけません。

 いま、放射性物質による子どもへの悪影響が日々、話題になっています。しかし、受動喫煙というもっと身近な問題が日々、子どもたちを苦しめていることも、知ってほしいのです。

 大切な子どもたちをたばこの害から守るために、大人たちは一刻も早く禁煙への努力をして欲しいものです。



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2011年10月04日 Posted bytonton at 02:01 │Comments(0)●コラム・投稿・社説

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