世界で推定毎年20万人の労働者が職場での受動喫煙により命を落としている。受動喫煙に安全なレベルはない。全面禁煙の実施が受動喫煙の被害から人々を守る唯一の効果的な方法だ。(by WHO)

日本も加盟しているWHOの「タバコ規制枠組み条約」では、「2010年2月までにすべての公共の建物内の完全禁煙」をガイドライン(指針)としています。子ども、家族、自分、大切な人がタバコの被害を受けない社会作りが必要だと思います。

                
 動画CMコンテスト受賞作品(NPO法人日本禁煙学会)


   

【金曜討論】たばこの値上げ 作田学氏、猪瀬直樹氏

【金曜討論】たばこの値上げ 作田学氏、猪瀬直樹氏 (1/4ページ)
【産経ニュース】2010.9.24 14:04
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/100924/trd1009241405008-n1.htm
たばこ税の増税に伴い、来月1日からたばこが一斉に値上げされる。代表的な銘柄のマイルドセブンは300円から410円になり、過去にない大幅な値上げ幅がスモーカーに節煙か禁煙かの選択を迫ることになりそうだ。「たばこは文化であり、マナーの徹底で十分」と主張する猪瀬直樹東京都副知事と、増税を禁煙のきっかけにしたいという日本禁煙学会理事長で医師の作田学さんに聞いた。
                 
  ◇

 ≪作田学氏≫

値上げで禁煙願望を刺激

 ○約16%が禁煙に転じる


 --たばこ税増税を医師の立場でどうとらえているか

 「たばこを100%値上げすると、約40%喫煙率が下がるといわれる。今回はほぼ40%の値上げにあたるため、スモーカーの約16%が禁煙に転じると予測されている。値上げ幅を大きくすれば、喫煙率はさらに下がるだろう。この増税を契機に、たばこをやめたいと考えるすべての人に禁煙に向かう方法について伝えていきたい

 --最近、「禁煙外来」という言葉をよく耳にするが

 「全国に約1万500カ所の禁煙外来があり、扱う医療機関の数は増えてきている。認知行動療法とバレニクリンと呼ばれる禁煙補助薬の処方によって禁煙につなげていく治療法で、保険も適用されて自己負担は2万円とかからない。将来にわたってたばこを吸い続けていくことを考えれば負担は少ない

 --禁煙外来では、どれぐらいの人が禁煙できるのか

 完全にたばこと縁が切れるのは6割といわれる。しかし、再び喫煙してしまう人も多くいて、そうしたケースではたばこの本数が以前より多くなりがちだ。それだけニコチンは依存性が強く、断酒よりも難しい

 --喫煙率をさらに下げるために期待する価格とは

 「喫煙者の大半は、いつかはたばこをやめたいと考えている。かりに1箱1000円に値上げすれば、喫煙者の禁煙願望はより具体化される。そもそも、欧米に比べて日本のたばこは安く、1箱800円から1000円というのが世界の相場になっている


 ○若者は値上げに敏感

 --スモーカーからの風当たりは強くなると思われるが

 喫煙率を下げる3つの方法とは、(1)値上げ(2)パッケージ上の写真による警告(3)たばこ自販機の撤廃-が有効と考えられている。中でも値上げという措置が効果てきめん。今の若者は携帯電話にお金をかけているので、たばこの値上げには敏感です。1000円にすれば、多くの未成年者はたばこに手を出さなくなるでしょう

 --青少年への影響という点ではメディアの責任も問われている

 「米国の人気俳優、シルベスター・スタローンが映画でたばこを1本吸うシーンに対して、たばこ会社から多額のお金が動いていたというが、1930年代からこの手の話は尽きない。たばこのパッケージがテレビに出るだけでも青少年に与える心理的な影響力がある。たばこを吸うことは格好悪いというイメージを浸透させることも大切で、マスメディアへの広告規制や禁煙教育という点で、残念ながら日本は世界に後れを取っている(日出間和貴)

                   ◇

 ≪猪瀬直樹氏≫

税収減考え議論すべきだ


 ●安易な全面禁煙は反対

 --過去最大額のたばこ税引き上げが来月から実施されるが

 「たばこ税は国・地方合わせて約2兆円あり、ガソリン税に迫る規模の貴重な財源だ。これ以上の値上げは税収増どころか、たばこ離れによる税収減を招く。この10年あまりで3回行われたたばこ増税後の税収推移を見ても明らかだ。今回の増税で、さらに大幅な税収減が見込まれている。東京の場合、都と区市町村合わせてたばこ税税収が約1200億円あり、これがないと予算が組めないという現実がある」

 --仮に税収減になっても、喫煙者が減ることで医療費の削減が期待できるとの主張もあるが

 「それはきちんと証明されていない議論だ。まず現実に生じる税収の減少分を、誰が負担するのかを考えなければならない。税の問題である以上、減収分の手当てを考えずに議論するのは無責任だ」

 --厚労省が飲食店などでの屋内原則禁煙を求める通知を2月に出すなど全面禁煙化の流れが進む

 「安易な全面禁煙には賛成しない。私自身も昼食はたばこが吸える店にしか行かないし、そういう店は喫煙者で込んでいる。諸外国の例を見ても、全面禁煙が実施されれば喫煙客の足は外食から遠のく。喫煙用の屋外テラスをつくるなどの大がかりな改装費用が必要となり、特に中小飲食店の経営に打撃を与えるだろう」

 --規制強化の背後には従来の分煙政策が不徹底との認識がある

 「分煙スペースを増やし、愛煙家のマナーも徹底するのは当然だ。全面禁煙化について、厚労省は副流煙を盾にとるが、黒煙を上げて走るディーゼル車の方がよっぽど問題なのに、全国的な規制は行われていないではないか」

 ●喫煙は嗜好の問題

 --副流煙以外に、喫煙行為そのものへの批判も強まっている

 「副流煙の問題を除けば、基本的にはアルコールと同じく嗜好(しこう)の問題だ。喫煙者にとって『ちょっと一服』は自然な動きで、煙だけではなく“間”を求めている面もある。文学や映画でも、たばこを1本吸うという“間”が必要なシーンがある。『マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや』(寺山修司)という歌も生まれるわけだ。単に煙を吸うだけではなく文化の問題でもあり、それに介入されると社会にストレスがたまるのではないか」

 --現状は行き過ぎとみるか

 「食糧管理法などの例を見ても、日本の規制は一度増やすとずっと戻らない。禁止を増やし続けるのは反対だ。喫煙者と非喫煙者のすみ分けは可能だし、お互いほどほどのところで折り合わなければならない」(磨井慎吾)

              
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【プロフィル】作田学

 さくた・まなぶ NPO法人「日本禁煙学会」理事長。昭和22年、千葉県生まれ。62歳。東大医学部卒。日赤医療センター神経内科部長、杏林大第一内科主任教授などを経て、同大客員教授。「禁煙学」(南山堂)を編集。著書に「頭痛」(日本医事新報社)など。

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【プロフィル】猪瀬直樹

 いのせ・なおき 作家、東京都副知事。昭和21年、長野県生まれ。63歳。信州大人文学部卒。62年、「ミカドの肖像」で大宅壮一ノンフィクション賞受賞。「ペルソナ-三島由紀夫伝」など著書多数。平成14~17年、道路関係四公団民営化推進委員会委員。19年、東京都副知事に就任。



icon26猪瀬さんは、WHOのタバコ規制枠組み条約の発効した背景や目的をまったく理解していないようで、東京を都知事と共に率いる副知事という立場の方であるのに、とても残念なことです。世界を知らずに、東京から日本が変わることはないように思います。



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2010年09月26日 Posted bytonton at 07:19 │Comments(0)●コラム・投稿・社説

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