世界で推定毎年20万人の労働者が職場での受動喫煙により命を落としている。受動喫煙に安全なレベルはない。全面禁煙の実施が受動喫煙の被害から人々を守る唯一の効果的な方法だ。(by WHO)

日本も加盟しているWHOの「タバコ規制枠組み条約」では、「2010年2月までにすべての公共の建物内の完全禁煙」をガイドライン(指針)としています。子ども、家族、自分、大切な人がタバコの被害を受けない社会作りが必要だと思います。

                
 動画CMコンテスト受賞作品(NPO法人日本禁煙学会)


   

●非喫煙者も検診は必要/ Dr.中川のがんから死生をみつめる

Dr.中川のがんから死生をみつめる:/73 非喫煙者も検診は必要
【毎日新聞社】
http://mainichi.jp/select/science/news/20100908ddm013070205000c.html
 芸能人リポーターの梨元勝さんが、先月21日、肺がんで亡くなりました。65歳でした。
 現在、日本では、毎年約6万7000人が肺がんで亡くなっています。男性では肺がんが、がんによる死亡のトップ、女性も2位です。 梨元さんは、たばこを吸いませんでした。多くの人が「たばこを吸わなかった梨元さんが、どうして肺がんになったのだろう?」と疑問に思ったようです。
 たしかに、たばこを吸えば、肺がんになる危険は高まります。実際、日本人の場合、たばこを吸う人が肺がんになる危険性は、吸わない人に比べて、男性で4・4倍、女性で2・8倍に高まります。欧米では、この比率は20倍以上と言われていますから、日本人の肺がんに対するたばこの影響はやや少ないようです。
 欧米では、たばこが肺がんの原因の90%を占めます。日本人は、男性で68%、女性で18%程度と推計されています。梨元さんのように、たばこを吸わなくても肺がんになる日本人の割合が高いのです。
 肺がんには、いくつかのタイプがあります。まず、がん細胞が小さい「小細胞がん」とそれ以外の「非小細胞がん」に分かれます。さらに、非小細胞がんには、腺がん、扁平(へんぺい)上皮がん、大細胞がんがあります。
 このうち、たばこと関連が深いのは、扁平上皮がんと小細胞がんです。一方、最近は、腺がんの割合が増加しています。つまり、喫煙が原因ではない肺がんが増えつつあるのです。
 梨元さんの肺がんが、どのタイプだったかは報道されていません。間接喫煙でも肺がんは増えますから、芸能界で仕事をしてきた梨元さんの肺がんが、たばこによるものであった可能性もあるでしょう。がんの告知から2カ月半で亡くなった経過からは、進行が早く転移しやすい小細胞がんも考えられます。
 しかし、梨元さんも「たばこを吸わないから肺がんの心配はない」と誤解されていたようです。定期的な検査をしていたら、早期発見ができた可能性もあります。たばこを吸わなくてもがん検診は受ける必要があるのです。
(中川恵一・東京大付属病院准教授、緩和ケア診療部長)


タグ :梨本勝さん

同じカテゴリー(●コラム・投稿・社説)の記事
 ●喫煙者率、過去最低、海外では「たばこ休憩禁止」の動きも (2012-02-12 13:38)
 ●喫煙率の目標 個人の健康後押しする観点で/社説 (2012-02-12 12:53)
 ●埼玉/ 受動喫煙 (2011-10-04 02:01)
 ●社説:たばこ税 健康のために禁煙策を (2011-10-02 15:15)
 ◎【社説】受動喫煙/職場の防止に対策強化を (2010-10-29 19:34)
 ◎【あなたの処方せん:新禁煙事情1~3】 (2010-10-22 19:10)

2010年09月09日 Posted bytonton at 18:21 │Comments(0)●コラム・投稿・社説

※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
●非喫煙者も検診は必要/ Dr.中川のがんから死生をみつめる
    コメント(0)