世界で推定毎年20万人の労働者が職場での受動喫煙により命を落としている。受動喫煙に安全なレベルはない。全面禁煙の実施が受動喫煙の被害から人々を守る唯一の効果的な方法だ。(by WHO)

日本も加盟しているWHOの「タバコ規制枠組み条約」では、「2010年2月までにすべての公共の建物内の完全禁煙」をガイドライン(指針)としています。子ども、家族、自分、大切な人がタバコの被害を受けない社会作りが必要だと思います。

                
 動画CMコンテスト受賞作品(NPO法人日本禁煙学会)


   

受動喫煙論争(下)嗜好品規制どこまで

【けむりの行方】受動喫煙論争(下)嗜好品規制どこまで
【YAHOO!ニュース】3月31日7時56分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100331-00000034-san-bus_all
 「期待はしています。でも、それぞれ立場があるようで、矛盾も感じます」
 横浜市の自営業、高橋是良さん(67)は、厚生労働省や神奈川県が進めている受動喫煙対策について言葉を選びながら話した。
 高橋さんは、長年の喫煙でがんなどの健康被害が生じたとして、日本たばこ産業(JT)と国に損害賠償などを求める訴訟を起こした。
横浜地裁は1月20日、請求を棄却し、判決では、JTの責任について「たばこの製造・販売を続ければ、不特定多数が病気になり、死亡すると認識していたとまでは言えない」と違法性を否定した。
 厚生労働省が都道府県などに受動喫煙対策を求めたのは、それから間もない2月だ。高橋さんは「裁判は残念でしたが、受動喫煙防止に向けた動きが広がることは望ましい」と語り、健康に対する大きなリスクを伴う受動喫煙に歯止めをかけようとする行政の取り組みを高く評価している。
 ただ、それでも引っかかるところはあるという。
 「受動喫煙防止を進める行政も、たばこそのものを否定する議論は避けているように見える。法律で認められていますから」
 たばこ事業法第1条はこう規定している。「たばこ産業の健全な発展を図り、財政収入の安定的確保及び国民経済の健全な発展に資することを目的とする」

 ■喫煙は否定せず
 行政は受動喫煙防止を進める一方で、産業発展を目指す法律には手をつけようとしない。実際、4月1日に国内初の受動喫煙防止条例を施行する神奈川県も喫煙そのものは否定しておらず、「条例の対象はあくまでも受動喫煙だ。たばこ自体は合法的な嗜好(しこう)品と認識している」(たばこ対策室)という。厚労省も同様の立場だ。
 その事情について、証券系シンクタンク、イワイ・リサーチセンターの有沢正一センター長は「たばこ税の存在が大きい」と語る。
 たばこには国や地方のたばこ税が課される。1箱300円のたばこの場合、たばこ税は174・88円だ。10月には1本3・5円の引き上げも予定される。税収は年間2兆円水準で、地方にとっては貴重な財源だ。
 それだけに喫煙を過剰に規制すると財政問題に直結しかねないし、飲食店やたばこ関連業界に及ぼす影響も大きい。容易に結論を出せないテーマでもある。
 第一生命経済研究所の主席エコノミスト、永浜利広氏は「受動喫煙対策を進める行政は、分煙では健康被害防止効果は不十分という立場だ。喫煙そのものを否定しないままの受動喫煙防止対策の主張は、いずれ行き詰まるのではないか」とみる。

 ■次はアルコール?
 一方、急速な議論の進展に対しては「このままでは嗜好品がすべて規制対象になるのではないか」(有沢氏)との懸念も出ている。
 国際的な受動喫煙防止対策を主導した世界保健機関(WHO)はビールなどのアルコール規制も検討中だ。1月には販売や広告の規制を求める指針案を採択した。行き過ぎた飲酒は健康だけでなく社会悪だととらえ、各国に自主規制を促す内容で、5月の総会での正式合意を目指している。
 合意しても「強制的な措置にはならない」(大手ビールメーカー)との見方は多いが、すでにビール大手5社で構成するビール酒造組合は、今年秋以降のビールなどのテレビ広告の自粛を拡大するなど先を見越したような動きをみせる。
 さらに、ファストフードや糖分の高い清涼飲料水が規制対象になるとの声もあり、米国ではコカ・コーラなどが加盟する米国飲料協会が、公立校でコーラなどの販売から撤退した。
 有沢氏は「健康的でないものすべてを規制対象にするとなれば、嗜好品ではない。合法的な楽しみ方の議論が少ないことも気になる」と指摘。たばこを含め嗜好品はどうあるべきか。受動喫煙問題は、その議論の進め方を含めて多くの課題を突きつけている。



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2010年04月02日 Posted bytonton at 13:09 │Comments(0)●コラム・投稿・社説

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