世界で推定毎年20万人の労働者が職場での受動喫煙により命を落としている。受動喫煙に安全なレベルはない。全面禁煙の実施が受動喫煙の被害から人々を守る唯一の効果的な方法だ。(by WHO)

日本も加盟しているWHOの「タバコ規制枠組み条約」では、「2010年2月までにすべての公共の建物内の完全禁煙」をガイドライン(指針)としています。子ども、家族、自分、大切な人がタバコの被害を受けない社会作りが必要だと思います。

                
 動画CMコンテスト受賞作品(NPO法人日本禁煙学会)


   

たばこ小幅増税 健康より税収優先か/社説

社説:たばこ小幅増税 健康より税収優先か
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20091204ddm005070101000c.html
 国民の健康を守るため、来年度税制改正でたばこ税の大幅増税を目指していた政府税制調査会は、1本2~3円程度の小幅な増税にとどめる方向で一致した。一般的なたばこは1箱340~360円になる。
 過去と同様、困った時の財源確保の色合いが濃く、税収優先の考えがにじむ。1本10円程度の増税で欧米並みの価格に引き上げ、喫煙率低下を促すという発想を支持した私たちからみれば肩すかしである。
 たばこ税の07年度税収は国・地方で計2兆2700億円と、消費税約1%分の税収に相当する。98年に旧国鉄債務などを返済するため1本0・82円の特別税を創設し、03年には企業減税の財源として、06年には児童手当などの財源として、それぞれ1本約0・8円増税した。
 だが、今回は財務省ではなく、消費を減らす狙いで厚生労働省が要望した。日本の喫煙率は男性が約40%と国際的に高く、女性は約10%でほぼ横ばいだ。一方、日本も批准している世界保健機関の「たばこ規制枠組み条約」は価格引き上げで喫煙率を下げる政策を各国に求めている。
 このため長妻昭厚労相は欧米並みの価格にと、現在一般的な1箱300円を500~700円にする考えを重ねて示した。鳩山由紀夫首相も「環境や人間の体の面からありうべしかな」と後押しした。問題は、たばこ消費の激減で税収が大きく落ち込むのを承知のうえで、踏み切れるかどうかだった。健康を考えるなら消費激減は歓迎すべきことだが、結局、財源不足の中で貴重な税源を損なう覚悟はできなかった。
 むしろ、「国民の健康」という美名と大幅増税を持ち出した結果、過去3回を大きく上回る増税がスムーズに運んだとも言える。健康問題は口実だったとの批判には、消費抑制策の妨げになっている「たばこ事業法」の改正を検討すると税制改正大綱に書き添え、健康問題に取り組む姿勢を強調したいようだ。
 結局、だれにも歓迎されず、政策意図が不明な増税と言わざるをえない。喫煙者は意外な小幅にホッとしているかもしれないが、デフレの時代に1割以上の値上げはきつい。禁煙のきっかけにと考えていた人には微妙な幅だ。枠組み条約に基づく総合的なたばこ規制の強化を望んだ非喫煙者にとってみれば、まったくの期待はずれである。
 せめて、政府は増収となった場合の使い道を明らかにしてほしい。また年限を切って、たばこ価格を欧米並みにすることを表明し、「毎年度1本2円ずつ増税」といったスケジュールを打ち出すべきだ。その第一歩という位置づけならば、今回の小幅増税は着実な一歩になる。





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2009年12月04日 Posted bytonton at 19:49 │Comments(0)タバコ税

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