日本も加盟しているWHOの「タバコ規制枠組み条約」では、「2010年2月までにすべての公共の建物内の完全禁煙」をガイドライン(指針)としています。子ども、家族、自分、大切な人がタバコの被害を受けない社会作りが必要だと思います。
動画CMコンテスト受賞作品(NPO法人日本禁煙学会)
妊娠・出産への具体的な影響は?
女性の健康Q&A 「喫煙・禁煙」<1>第6テーマ「喫煙・禁煙」回答は、小西明美先生
http://www.yomiuri.co.jp/komachi/beauty/kokokara/20090514ok09.htm?from=os2
質問<1>
30代女性です。20代からずっと煙草を吸っています。結婚してそろそろ子供がほしいと思い、煙草をやめたほうがいいのかなとも思いますが、長年の習慣はなかなかやめられず、「子供ができたらやめよう。」とついつい自分を甘やかしてしまいます。煙草を吸っていると、妊娠しにくいとか、子どもに影響が出るとかあるのでしょうか? もちろん漠然とは、煙草は妊娠・出産に悪いと思っていますが、具体的な影響などを教えていただけますか?
回答<1>
喫煙は、女性にとって大切な女性ホルモンの働きを低下させますし、血流障害や酸素不足を招くので、妊娠・出産には本当によくありません。喫煙する女性では、そうでない人に比べて2倍くらい不妊になりやすく、妊娠するまでの期間も長く、不妊治療の効果も悪いといわれています。
運よく妊娠しても、喫煙は、胎盤や胎児の血液を低下させ、有害物質の影響もあるため、早産、早期破水、前置胎盤や早期剥離、胎児の低体重や低身長などの成長障害の原因になります。子宮外妊娠や、流産の増加にもつながるようです。最近では、口蓋裂などの奇形や、認知機能の低下にも関係するのではないかといわれています。
また、無理なダイエットや喫煙などで胎内環境が悪い中で育つと、成長した時に肥満や高血圧、メタボリックシンドロームになりやすいということがいわれています。人間はもともと飢餓から身を守るようにしていた歴史が長いので、低栄養の状況では、体の仕組みとして「飢餓プログラム」が組まれやすいようで、「小さく産んで大きく育てる」のが良いとは限らないようです。
出産後も、喫煙や受動喫煙により、母乳にニコチンが分泌されますし、成長期の子供は、たばこの有害物質の影響を受けやすく、乳児突然死症候群や喘息、肺炎、中耳炎などが増える原因になります。
そんなわけで、タバコは初めから吸わないのが一番です。最近はたばこがやめられないのは、ニコチン依存症という病気だからと考えられ、薬物治療や行動療法がいろいろ工夫されていて、条件が合えば、保険で治療することもできます。
禁煙はいつから始めても、それなりのメリットがありますが、妊娠中は禁煙治療薬が使えないので、やはり早目の禁煙が一番ですね。禁煙には周囲のサポートがとても大切ですので、もしパートナーや周囲の方も喫煙するなら、この機会にぜひ一緒にやめましょう。たばこのない暮らしは生まれてくる赤ちゃんへの大きなプレゼントになりますよ。
プロフィール
小西明美(こにしあけみ) 小張(こばり)総合病院健診センター部長・内科専門医・医学博士
岡山大学医学部卒業、京都大学医学部大学院修了
京都桂病院、倉敷中央病院を経て平成13年から現職。(人間ドック・禁煙外来・女性外来担当)。消化器病学会指導医・肝臓病学会専門医・人間ドック学会認定医・指導医・「性と健康を考える女性専門家の会」禁煙プロジェクト責任者
◆女性医療ネットワーク http://www.cnet.gr.jp/
女性の体と心の健康と幸福に貢献する統合医療をめざすNPOです。メンバーが交代でコラムを執筆します。
(2009年5月14日 読売新聞)
女性側の喫煙・受動喫煙による影響はもちろんのこと・・あまり、知られていないように思いますが、妊娠前の段階で、男性側の精子に喫煙による異常がでることもあるそうです。不妊については、男性にも同様なことがいえるそうです。
http://www.yomiuri.co.jp/komachi/beauty/kokokara/20090514ok09.htm?from=os2
質問<1>
30代女性です。20代からずっと煙草を吸っています。結婚してそろそろ子供がほしいと思い、煙草をやめたほうがいいのかなとも思いますが、長年の習慣はなかなかやめられず、「子供ができたらやめよう。」とついつい自分を甘やかしてしまいます。煙草を吸っていると、妊娠しにくいとか、子どもに影響が出るとかあるのでしょうか? もちろん漠然とは、煙草は妊娠・出産に悪いと思っていますが、具体的な影響などを教えていただけますか?
回答<1>
喫煙は、女性にとって大切な女性ホルモンの働きを低下させますし、血流障害や酸素不足を招くので、妊娠・出産には本当によくありません。喫煙する女性では、そうでない人に比べて2倍くらい不妊になりやすく、妊娠するまでの期間も長く、不妊治療の効果も悪いといわれています。
運よく妊娠しても、喫煙は、胎盤や胎児の血液を低下させ、有害物質の影響もあるため、早産、早期破水、前置胎盤や早期剥離、胎児の低体重や低身長などの成長障害の原因になります。子宮外妊娠や、流産の増加にもつながるようです。最近では、口蓋裂などの奇形や、認知機能の低下にも関係するのではないかといわれています。
また、無理なダイエットや喫煙などで胎内環境が悪い中で育つと、成長した時に肥満や高血圧、メタボリックシンドロームになりやすいということがいわれています。人間はもともと飢餓から身を守るようにしていた歴史が長いので、低栄養の状況では、体の仕組みとして「飢餓プログラム」が組まれやすいようで、「小さく産んで大きく育てる」のが良いとは限らないようです。
出産後も、喫煙や受動喫煙により、母乳にニコチンが分泌されますし、成長期の子供は、たばこの有害物質の影響を受けやすく、乳児突然死症候群や喘息、肺炎、中耳炎などが増える原因になります。
そんなわけで、タバコは初めから吸わないのが一番です。最近はたばこがやめられないのは、ニコチン依存症という病気だからと考えられ、薬物治療や行動療法がいろいろ工夫されていて、条件が合えば、保険で治療することもできます。
禁煙はいつから始めても、それなりのメリットがありますが、妊娠中は禁煙治療薬が使えないので、やはり早目の禁煙が一番ですね。禁煙には周囲のサポートがとても大切ですので、もしパートナーや周囲の方も喫煙するなら、この機会にぜひ一緒にやめましょう。たばこのない暮らしは生まれてくる赤ちゃんへの大きなプレゼントになりますよ。
プロフィール
小西明美(こにしあけみ) 小張(こばり)総合病院健診センター部長・内科専門医・医学博士
岡山大学医学部卒業、京都大学医学部大学院修了
京都桂病院、倉敷中央病院を経て平成13年から現職。(人間ドック・禁煙外来・女性外来担当)。消化器病学会指導医・肝臓病学会専門医・人間ドック学会認定医・指導医・「性と健康を考える女性専門家の会」禁煙プロジェクト責任者
◆女性医療ネットワーク http://www.cnet.gr.jp/
女性の体と心の健康と幸福に貢献する統合医療をめざすNPOです。メンバーが交代でコラムを執筆します。
(2009年5月14日 読売新聞)
女性側の喫煙・受動喫煙による影響はもちろんのこと・・あまり、知られていないように思いますが、妊娠前の段階で、男性側の精子に喫煙による異常がでることもあるそうです。不妊については、男性にも同様なことがいえるそうです。
●受動喫煙が子どものADHDなど引き起こす可能性を指摘
◎米国、子どもの半数以上に受動喫煙の影響
世界対がんデー「がんの予防は子どもから」
△乳幼児突然死は昨年168人/厚労省
家族の喫煙で子どもは虫歯に
ことばなるほどね!受動喫煙とは?/朝日学生新聞社
◎米国、子どもの半数以上に受動喫煙の影響
世界対がんデー「がんの予防は子どもから」
△乳幼児突然死は昨年168人/厚労省
家族の喫煙で子どもは虫歯に
ことばなるほどね!受動喫煙とは?/朝日学生新聞社
2009年05月16日 Posted bytonton at 11:08 │Comments(0) │知識
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