世界で推定毎年20万人の労働者が職場での受動喫煙により命を落としている。受動喫煙に安全なレベルはない。全面禁煙の実施が受動喫煙の被害から人々を守る唯一の効果的な方法だ。(by WHO)

日本も加盟しているWHOの「タバコ規制枠組み条約」では、「2010年2月までにすべての公共の建物内の完全禁煙」をガイドライン(指針)としています。子ども、家族、自分、大切な人がタバコの被害を受けない社会作りが必要だと思います。

                
 動画CMコンテスト受賞作品(NPO法人日本禁煙学会)


   

記者が体験:禁煙日記 公園や球場屋外でも対策 /和歌山

記者が体験:禁煙日記 公園や球場屋外でも対策 /和歌山
【毎日新聞社】
http://mainichi.jp/area/wakayama/news/20100327ddlk30100395000c.html
 厚生労働省は2月、多くの人が利用する公共的な空間を分煙ではなく全面禁煙にするよう求める健康局長通知を出した。禁煙以外では受動喫煙防止対策としては不十分とするWHO(世界保健機関)の07年指針を受けた。
 都道府県を通じて管理者に、具体的な施設例を挙げて禁煙への移行を促す。03年の健康増進法施行当初、同省は禁煙と分煙を掲げたが、今回さらに踏み込んだ。
 対象は官公庁舎、集会場、百貨店、屋外競技場、娯楽施設など多岐にわたる。全面禁煙が困難な場合は当面の措置として喫煙場所を設け、将来的に禁煙を目指すよう求める。特に、子どもの健康保護の観点で、同法では規定外となる公園などの屋外でも対策が必要とした。
 第82回センバツが開かれている兵庫県西宮市の阪神甲子園球場。阪神電鉄によると、リニューアル工事を実施した08~09年、通路に独立した喫煙室を設けた。元々スタンドは禁煙だが、以前は通路に分煙機を置いて喫煙を認めており、煙が通路に充満することもあった。
 喫煙室は内野席への通路に10カ所、アルプス席8カ所、外野席10カ所。モニターでリアルタイムでゲームを観戦できる。「煙が漏れない」「気兼ねせずに吸える」と喜ばれているという。
 09年4月にオープンした広島東洋カープ本拠地・広島市民球場(マツダスタジアム)も屋外に喫煙スペースを設けた。一方、「禁煙宣言」した広島市は職員の健康保護、公務能率向上のため、全職員の禁煙を推進する。
 広島市の担当者は「球場は娯楽施設であり、観戦時間も長い。禁煙は正直難しい」と語る。阪神電鉄も「たばこを吸う方も吸われない方と同じ料金をいただいている。喫煙室を設けたばかりで禁煙はまだ検討段階にはない」。
 通知はあくまで努力義務。全面禁煙は果たして広がるか。同省は「全面禁煙が望ましいとの認識が広まり、社会の機運が高まることが通知のねらい」とする。【加藤明子】




  


2010年03月30日 Posted by tonton at 17:14Comments(0)●コラム・投稿・社説

【けむりの行方 受動喫煙論争】(上)条例の波紋、飲食店に拡大

【けむりの行方 受動喫煙論争】(上)条例の波紋、飲食店に拡大
【産経ニュース】
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100329/biz1003292229031-n1.htm
 「4月以降も喫煙可能とすることにしました」
 横浜市のJR横浜駅前にあるホテル「横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズ」は、3階のバー「ベイ・ウエスト」での喫煙について、こう結論を出した。
 神奈川県は4月1日から、他人のたばこの煙を吸いこむ受動喫煙の対策として受動喫煙防止条例を施行する。学校や官公庁は全面禁煙。飲食店や旅館は小規模店などを除き、禁煙か、禁煙エリアに煙が流れない設備をつける完全分煙かの選択が義務付けられる。
 違反すると、喫煙者個人が2万円以下、施設管理者は5万円以下の過料。ただ飲食店などでの過料は来年4月以降の適用となる。
 このバーでは、喫煙客が少ないときでも6割を占める。館内では、28階のレストラン脇に喫煙室を新設するなど条例への備えも進めているが、いきなりバーまで分煙とすると、客足に大きく響きかねない。
 そこで目をつけたのが罰則適用までの猶予期間だった。「喫煙者も重要なお客さまだという観点で、来年3月末まで禁煙しないことにした」(大久保千弥(せんや)マーケティング部副部長)。その後は禁煙だが、直前まで喫煙可で通す苦渋の決断だ。
 一方、「響(ひびき)」「燦(さん)」など全国に約270店の居酒屋やレストランを持つダイナック(東京都新宿区)は、迷った末に同県での5月からの分煙を決めた。
 費用はかさむ。だが「喫煙客の流出は業績に悪影響を及ぼす」(関口忠義営業推進部長)と判断した。分煙対応が整う5月までは禁煙。分煙が1カ月遅れるのは「ギリギリまで同業他社の動向などをみて判断したかったから」だという。
 ■優等生ばかりでは…
 受動喫煙防止の取り組みは急速な広がりをみせる。
 厚生労働省は2月、「公共的な空間は原則として全面禁煙であるべきだ」と明記した都道府県などへの健康局長通知を出した。同省労働基準局も受動喫煙防止対策検討会で労働者の対応を検討。来年の関連法改正案の国会提出も視野に、近く報告書をまとめる。
 一連の動きへの産業界の関心は高い。とりわけ飲食関連業界は、ハチの巣をつついたような騒ぎだ。
 外食大手では、日本マクドナルドは神奈川県の全店禁煙を表明。ファミリーレストラン「ロイヤルホスト」などを展開するロイヤルホールディングスも県内の全店を全席禁煙にした。
 一方で「優等生ばかりではいられない」(地元チェーン)との本音がのぞく。
 「店を喫煙者限定にしたいほどだ」と恨み節のオーナーもいる。神奈川県の条例が厨房(ちゅうぼう)以外の床面積が100平方メートル以下なら禁煙・分煙の選択を「努力義務」にとどめているため、「厨房の拡大をまじめに議論した」という店主もいる。
 ドイツでは2007年に規制を適用した飲食店15%で売り上げが50%減った。「難しい判断が求められた」(居酒屋チェーン社長)と語る経営者は多い。
 ■禁煙薬には追い風
 追い風の業界もある。医療用禁煙治療薬「チャンピックス」を販売する製薬大手、ファイザー(東京都渋谷区)は、「禁煙にチャレンジする人を支援したい」として、3月から医師への相談を促すキャンペーンを始めた。「禁煙を試みる人は増えるはずだ」(同社)と期待は高まる。
 国内唯一の分煙装置専業メーカー、トルネックス(東京都中央区)では、神奈川県の飲食店などを中心に「問い合わせが前年比で1・5倍程度増えた」(山口晃・営業部副部長)。
 同社は、天井から床に風を送り、煙を遮断するエアカーテンを扱う。ただ、分煙の店で一般的な設備は工事費抜きで30万~40万円。条例は分煙に際して煙の量も規制しているが、「それをクリアするには、もっと高価で高機能の機種にしなければならない」という。
 飲食店側は、この負担を許容できるのか。分煙をあきらめて全面禁煙に向かう動きが加速すると、追い風はたちまち逆風となる。
 「顧客も混乱しているようだが、われわれも4月以降の方向性は見当もつかない」。煙の行方はなかなか見通せそうにない。
     ◇
 受動喫煙対策の取り組みが勢いを増している。歓迎の声が高まる一方、戸惑いや疑問もくすぶる。対策の課題を追った。


喫煙者もお客なら、非喫煙者もお客で、その人達の健康までも侵す環境であることは、改善されていかなければならないことだと思います。また、分煙を検討している飲食店があるようですが、2月末ギリギリで出された厚生労働省の通達は「屋内は全面禁煙に」ということです。そのもとになっているWHOタバコ規制枠組み条約(FCTC)では分煙を許していません。ですから、近い将来、分煙は認められなくなる方向であることは確実なので今、分煙装置に投資することは無駄になる可能性が高いと思われます。
  


2010年03月30日 Posted by tonton at 16:57Comments(0)●コラム・投稿・社説

ますます追いやられる喫煙者

ますます追いやられる喫煙者
【リアルライブ】
http://npn.co.jp/article/detail/25123661/
 先週19日、神奈川県議会は、今夏から県内の海水浴場を、原則として禁煙にする条例改正案を可決した。現段階では、罰則などは決まっていないらしいが、3年ごとに見直しをしながら罰則を、導入する方向でいるらしい。喫煙者にとっては、浜辺でちょっと一服が出来なくなることや、この先罰金など科せられることも必至で、ますます肩身が狭くなるようだ。さて、先んじて1990年代から禁煙行政を推し進めてきたアメリカ・カリフォルニア州は、今いったいどのような状況だろうか、少し調べてみた。
 現カリフォルニア州知事は、ご存知アーノルド・シュワルツェネガー氏。カリフォルニア州知事の3選は禁止されているため、今年が最後の任期だ。さて、そのシュワルツェネガー知事だが、署名をするか、どうか決めかねている法案だが、278か所もの州立公園や海岸での禁煙を合法化しようとしているものだ。もしそれを破った場合、最高で100ドルの罰金を科すそうだ。カリフォルニア州は、既に公共の建物や遊技場などから半径25フィート(約7.6メートル)以内を完全禁煙にしている。今度はこれに、公園や海岸を追加しようとしている。また州とは別に、ロスアンゼルス市は、遊技場、競技場、ピクニック場、公園、浜辺などの公共施設は、既に禁煙にしている。またロスアンゼルス郡は、郡所有の海岸では2004年から喫煙を禁止してから、去年は公園やゴルフコースまでそれを広げている。
 10年前には日本では考えもしなかった喫煙者にとっては、まさに悪夢。日本の各地方団体も、恰好つけてこのままアメリカの時流を周到しようとすることは目に見えている。こうなると、日本もあと10年以内には、確実にレストランは勿論、バー、クラブ、もしかしてキャバクラなども全面禁煙になる可能性が高い。そして、近い将来全ての屋根のある場所では、喫煙が禁止になる日もやってきそうだ。建物の中でも、外でも、喫煙禁止となると、いったい愛煙家はどこでタバコを吸ったらいいのか。しかし、またその前に、今年の10月からは、タバコ1本あたり5円も値上げする税制改正案もあり、現実に金銭的にも厳しくなる。喫煙者は今が辞め時か…。


これまでは、非喫煙者の側(気にならない方もいたとは思いますが)が悪夢でした。体が弱い人、病気の人、子ども、お年寄り・・・これまではそのような人たちをタバコから守る世論がありませんでした。喫煙者はますます追いやられる・・・というような表現をよく耳にしますが、自分を傷つけるばかりでなく、周囲にいる人までに被害を及ぼすのです。これまで、タバコの害に気付いた人達が追いやられていたということをよくよく考えて欲しいと思います。
  


2010年03月27日 Posted by tonton at 21:01Comments(0)●コラム・投稿・社説

時評コラム 猪瀬直樹の「眼からウロコ」

時評コラム 猪瀬直樹の「眼からウロコ」 全面禁煙化は中小企業や飲食店には厳しい
たばこ税は国と地方をあわせ2兆円規模で安定した財源でもある
【日経BP】
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20100323/217044/
職場や飲食店の屋内原則禁煙化を義務づける動きが進んでいる。新聞では全面禁煙ともとれる見出しがつけられているけれどもミスリードだ。厚生労働省の有識者検討会でも指摘されたように、中小企業や飲食店の経営に配慮する必要がある。

「職場の禁煙 法制化へ」という見出しはミスリードだ
 2月7日付の朝日新聞は、「職場の禁煙 法制化へ 厚労省 飲食店にも規制」という見出しで次のように報じた。
「他人のたばこの煙を吸わされる『受動喫煙』から労働者を守るため、厚生労働省が職場の原則禁煙化に乗り出す。事業者に受動喫煙を防ぐよう義務づける労働安全衛生法の改正案を、早ければ来年の通常国会にも出す方針だ。

 法改正が実現すれば、通常の事務所や工場では、仕事をする空間で喫煙できなくなる。ただ、男性の喫煙率が3割を超え、建物をすべて禁煙にするのは非現実的だという意見も多く、当面は喫煙室設置を認めることになりそうだ」

 見出しに「職場の禁煙 法制化へ」とだけ打つのは、あたかも全面禁煙が実施されるようであり、ミスリードだ。記事本文では書かれているように、厚生労働省の検討会は全面禁煙とは言っていない。



猪瀬直樹さんは、いつも会議中でも喫煙している様子がTVに映し出されています。この方が、WHOタバコ規制枠組み条約(FCTC)を理解していないことはそれだけでよく分かります。
  
タグ :猪瀬直樹


2010年03月27日 Posted by tonton at 20:51Comments(0)●コラム・投稿・社説

社説/受動喫煙防止 理解得て着実に進めたい

受動喫煙防止 理解得て着実に進めたい
【西日本新聞】
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/158360
 街中で辺り構わず、わが物顔でたばこをふかす光景は随分前に消えたと思う。駅やホテル、さらには職場でも、喫煙スペースを設ける分煙が進んでいる。
 こんなご時勢、多少の我慢で済むのなら結構なことではないか-。そう納得している愛煙家も少なくないだろう。
 しかし、それではなお不十分だというのが、厚生労働省が出した通知だ。
 厚労省は2月下旬、不特定多数の人が利用する公共的な施設を原則として全面禁煙にするよう求める通知を、都道府県など全国の自治体に出した。他人のたばこの煙にさらされる「受動喫煙」による健康被害を防ぐのが狙いである。
 健康増進法(2003年施行)に基づく措置だ。これまで、国は「全面禁煙」か「分煙」の、どちらかで構わないとしてきた。今回、対策の強化を促したといえる。神奈川県は4月、全国に先駆けて屋内での喫煙を規制する「受動喫煙防止条例」を施行する。今後、同様の動きが自治体に広がるかもしれない。
 公共的な場所では、たばこを吸わない人をたばこの煙から守る。進むべき方向であり、その取り組みはうなずける。
 禁煙対象となるのは、学校、病院、官公庁、百貨店、遊技・娯楽施設、ホテル、飲食店などのほか、交通機関も含まれる。屋外でも、子どもが利用する公園や通学路での対策を求めている。
 一方で、通知に罰則はない。飲食店などで全面禁煙が極めて困難な場合、喫煙と非喫煙の区域分けの徹底を条件にして暫定的に分煙も容認している。
 なぜ、いま全面禁煙か。日本も批准している「たばこ規制枠組み条約」(05年発効)は公共施設や職場での全面禁煙を要請している。やはり受動喫煙防止が目的だが、その具体的な規制強化策を示す期限が迫っていた。期限ぎりぎりに回答を間に合わせたということでもある。
 ただ、通知が「健康への悪影響は科学的に明らか」と言うように、受動喫煙がもたらす健康被害の研究報告は多い。愛煙家はこれまで以上にマナーに心掛けてほしい。飲食店などの経営に深刻な影響を心配する声は分からないわけではない。しかし、たばこの煙を迷惑とする人が増えていることも理解すべきだろう。
 成人の喫煙率は08年で21・8%と年々下がっている。男性に限ると36・8%と依然高いが、今年10月には1箱100円程度の大幅値上げになる見通しで、これを機に禁煙を決意する人もいよう。
 厚労省は、職場でも原則禁煙を事業者に義務付ける方向で労働安全衛生法の改正を検討中だ。一般の市民は健康増進法で、職場の労働者は労働安全衛生法によって受動喫煙対策を進め、禁煙化の流れを確実にしたいとの思いがある。
 それには関係者の自覚と協力が不可欠である。たばこは嗜好(しこう)品として認められており、喫煙者を頭ごなしに排除することは慎みたい。理解を求めながら、社会全体で着実に進めることが大切だ。
=2010/03 /14付 西日本新聞朝刊=  


2010年03月16日 Posted by tonton at 21:46Comments(0)●コラム・投稿・社説

【日本の議論】厚労省が「全面禁煙」通知も… 

【日本の議論】厚労省が「全面禁煙」通知も… 「実効性に疑問」「禁煙は世界の流れ」
【SankeiBiz】
http://www.sankeibiz.jp/econome/news/100307/ecb1003070701000-n1.htm
 レストランや居酒屋、ホテル、パチンコ店などは原則として全面禁煙に-。多くの人が利用する公共的な施設について、厚生労働省は2月25日、禁煙措置を求める通知を都道府県など自治体に出した。狙いは、健康増進法に基づき、たばこを吸わない人を煙から守る「受動喫煙の防止」だ。しかし、罰則や強制力はないため、実効性には疑問が残る。禁煙はもはや世界的な流れ。欧米に比べて遅れが指摘される日本の受動喫煙対策は本当に進むのだろうか…。

「強制力のない通知は意味なし」
 厚生労働省が、都道府県や政令市に出した通知は多くの人が利用する公共的な施設を原則「全面禁煙」とすることを求める内容となっている。
 対象は学校や体育館、病院といった公共施設のほか、百貨店や飲食店、ホテル、カラオケボックス、ゲームセンター、パチンコ店、駅など人が多く集まる施設。
 受動喫煙の防止は、平成15年に施行された健康増進法で定めているが、具体的な施策が示されたのは初めて。喫煙スペースを仕切りや壁で仕切る「分煙」では、禁煙スペースにも煙が流れ込んでしまうため、厚労省は受動喫煙の防止には不十分と判断し、全面禁煙にカジを切ったのだ。
 厚労省幹部は「通知によって、喫煙をめぐる議論が活発になる」と自信をみせるが、健康増進法に罰則規定がないため、通知にも強制力はない。つまり、全面禁煙を実施するかどうかは施設側の判断に委ねられている。
 通知について月刊「禁煙ジャーナル」の渡辺文学編集長は「生ぬるい。分煙を事実上認めた内容になっており、禁煙政策としては実効性に疑問が残る」と厳しく批判する。
 一方、経営への影響が避けられない日本たばこ産業(JT)は「すべての施設を一律に全面禁煙とするよう求めるものではないものと認識している」と冷静な対応をみせる。

喫煙者にとっても禁煙のチャンス
 そもそも、受動喫煙はどの程度、健康に害を及ぼすものなのだろうか。
 国立がんセンター研究所の望月友美子・たばこ政策研究プロジェクトリーダーは「喫煙者だけではなく、隣で副流煙を吸わされている人も、心筋梗塞(こうそく)や肺がん、中耳炎などを起こす確率が上がることが国内外の研究で分かっている。乳幼児の隣で吸えば乳幼児突然死症候群を起こす可能性も指摘されており、周囲に与える影響は大きい」と指摘する。
 その上で、全面禁煙を進めることが、「喫煙者そのものを減らすことにつながる」
と期待を込める。
 実際、米系製薬会社「ファイザー」の調査では、喫煙者のうちの7割がたばこをやめたいと思っているという。
 そうした人の前に立ちはだかるのが酒の席だ。禁煙を試みたものの、同僚や友人と酒を飲んだ際、「つい、たばこに手が伸びてしまった…」という人は多い。
 望月リーダーによると、こうした行動には科学的な根拠があるという。飲酒をすると脳内で「ドーパミン」と呼ばれる物質が出るが、この物質は喫煙習慣のある人に対しては「たばこを吸いたい」という気持ちを増幅させる作用があるという。望月リーダーは、「この作用に加え、周辺にたばこを吸う人がいれば『喫煙したい』という気持ちを抑えられなくなってしまう。全国の飲食店などに全面禁煙が広がれば、受動喫煙の防止とともに喫煙者の禁煙も促進されるのではないか」とみる。

欧米では全面禁煙を強力に推進 
 禁煙は世界的な潮流となっている。世界保健機関(WHO)の「たばこ規制枠組み条約」が2005年に発効し、屋内の職場や公共施設などでの受動喫煙防止策の実現を求めた。2007年には「100%禁煙以外の措置は不完全」とする指針が採択され、欧州で禁煙化が加速した。街中の自動販売機でたばこが買える日本は、海外から「遅れている」と指摘されても仕方がないのが現状だ。
 英国では2007年、国内全域で職場や飲食店などの人が集まる場所が全面禁煙となった。英国で発祥した市民の憩いの場「パブ」も例外ではなく、カウンターでビールを飲みながらたばこをくゆらすスタイルが定番の「イングリッシュ・パブ」から、たばこの煙が一掃された。
 この結果、多くの市民がパブ通いをやめて家での晩酌を選び、国内に5万店以上あったパブが次々に廃業。英国パブ・ビール協会によれば、2009年8月までの1年で約2300店舗が閉鎖に追い込まれた。
 米国では州や市ごとに規制が異なるが、厳しさはヨーロッパ並みだ。カリフォルニア州では労働法典に基づき、職場の閉ざされた空間は禁煙。ニューヨーク州では空気清浄法が改正され、ホテルの客室内などを除く建物内での全面禁煙を義務化した。
 日本も平成16年に条約に批准しており、厚労省は20年に検討会を設置して昨年3月に「原則全面禁煙であるべきだ」とする報告書をまとめた。今回の通知もその延長線上にあるが、パブから喫煙客を一掃した英国などに比べれば、罰則規定のない日本の対応は確かに生ぬるい。その背景には、全面禁煙による経営悪化を懸念した業界団体の反発もあるようだ。

禁煙実施で売り上げ減少の不安も
 客の7~8割が喫煙者とされるパチンコ業界。全国約1万2000店舗が加盟する「全日本遊技事業協同組合連合会」の担当者は、「オーナーからは、『分煙や禁煙を進めれば、客足は確実に遠のく』という声が大半。加えて、分煙には改装工事が必要になるが、この経営難の中でどこにもそんな余裕はない。一律に全面禁煙、というのは絶対に無理」と断言する。
 一方、これまで積極的に受動喫煙防止に取り組んできた企業にさえ動揺が広がっている。ホテルチェーン「東横イン」は20年8月、JR高崎駅(群馬県高崎市)前に全館禁煙の「禁煙棟」をオープンさせた。隣接の喫煙可能な本館と比較すると、禁煙棟の稼働率は高く、同社は「嫌煙傾向は加速している」とみる。
 ただ、全ホテルへの拡大となると「話は別だ」という。同ホテルは、隣接する本館では喫煙できる客室もあり、「喫煙を希望するお客さまもいる。現状でも、十分に双方の要望に応えられているのだが…」と話す。また、別のホテルの広報担当者は「そもそも、国がどの程度の対策を求めているのかが分からない。全面禁煙にしなくちゃダメなんですかね?」と、混乱を隠さない。
 せっかくの通知も、このままでは足並みがそろわない恐れもある。
 市民団体「日本愛煙家協会」(現在は休眠状態)の会員で、愛煙家の的場光旦さん(62)は、「心おきなくたばこが吸えるので、分煙が進むことは喫煙者にとってもうれしいこと。中途半端なままでは、吸う人も吸わない人も嫌な思いをする。国は現場に責任転嫁せず、リーダーシップをとってほしい」と話している。

弱腰の国に変わって地方が牽引
 国の及び腰の通知を尻目に、自治体や飲食店の中には独自に全面禁煙に取り組む動きが出てきた。
 国内では、14年に東京都千代田区が「歩きたばこ禁止条例」を施行して以来、路上喫煙を禁じる条例が全国に広がっているが、神奈川県は4月から屋内の喫煙を罰則付きで規制する受動喫煙防止条例を全国で初めて施行する。
 同県内の吉野家やマクドナルドなど外食チェーンも全面禁煙に協力。ファミリーレストランチェーンのロイヤルホストは喫煙ルームを設置し、分煙で対応する。
 東京・代官山や南青山などを中心に、若い世代に人気の「ZEST」「モンスーンカフェ」といったレストラン63店舗を全国展開する「グローバルダイニング」(東京都港区)は、3月1日からシガーバーを除く62店舗で全面禁煙を実施している。
 同社の広報担当者は「禁煙は世界的な流れ。いずれ多くの施設で実施されるのであれば、少しでも早い導入を目指した」とアピールする。
 国の通知は出たものの、飲食店などの対応には濃淡が目立つ。神奈川県たばこ対策室の井出康夫室長は「実効性のある対策には法整備が必要だ」と指摘し、より踏み込んだ対応の必要性を訴えている。

【写真】神奈川県の受動喫煙防止条例を受け、全面禁煙となったマクドナルド関内北口店。厚生労働省の通知で、全面禁煙の動きは全国に広がるのか=平成22年3月1日午前、横浜市中区
  


2010年03月08日 Posted by tonton at 13:32Comments(0)●コラム・投稿・社説

税収vs健康 ― たばこ規制はどこまで広がるか?

[たばこ規制についての基礎知識][基礎知識]税収vs健康 ― たばこ規制はどこまで広がるか?
【日本の論点PULS】
http://www.bitway.ne.jp/bunshun/ronten/ocn/sample/ron/09/077/r09077DFA1.html
タスポの導入
 二〇〇八年三月から順次運用を始めてきた、未成年の喫煙防止強化のための「成人識別たばこ自動販売機」が、七月から全国で稼働を開始した。この販売機でたばこを購入するには、成人の証である「taspo(タスポ)カード」が必要だ。Taspoとは、「たばこ+パスポート」からできた造語。 成人識別ができる自販機としては、ほかに運転免許証をかざすタイプや、顔を認識して成人か否かを類推するタイプも認められている。しかしたばこ自販機の九割以上がタスポカード対応型のため、事実上カードがないと自販機でたばこを購入できない。
 タスポ誕生の背景には、日本も署名している「たばこ規制枠組み約」がある。この条約締約国の義務として、未成年者の喫煙防止対策を促進させることが要求されている。これを受けて、「社団法人日本たばこ協会」「全国たばこ販売協同組合連合会」「日本自動販売機工業会」が主体となって、タスポ導入に取り組んできたのである。

普及が進まないタスポカード
 六月三〇日に日本たばこ協会が発表したタスポ発行枚数は、約六四一万枚。喫煙者は約二六〇〇万人と推定されているので、四人に一人しかカードをもっていないことになる。
 大きな理由は、カード取得が面倒なことだ。あらかじめ申込書に記入捺印し、顔写真や免許証などの本人確認書類のコピーを添付して郵送しなくてはならない。
 カードをもたない喫煙者が多いため、たばこを販売するコンビニは売上が急激にアップし、「タスポ特需」などといわれた。一方、カードの貸し借りが横行し、カードをもたない人へのサービス(?)として、自販機にカードをぶら下げているケースまで現れた。
 毎年一万件程度が廃業している中小のたばこ販売業者は、コンビニに客をとられてさらに追い込まれた。そこで全国たばこ販売協同組合連合会は、なんとか自販機離れをくい止めようと、未成年のたばこ購入防止のために自粛してきた深夜の自販機販売を、八月から一二年ぶりに復活させた。
 カードを作れない高校生がコンビニでたばこを万引きするなど、さまざまな騒ぎはあったものの、日本たばこ協会によると、八月一六日現在のタスポ発行枚数は約七八七万枚に上昇、保有率は三〇%にアップした。しかも、喫煙者のうち常時自販機を利用する人にかぎれば、保有率は八三%に達しているという。

たばこが一箱一〇〇〇円に?
 タスポ騒ぎに乗じて火がついたのが、「たばこ一〇〇〇円」論争である。火付け役は、日本財団の笹川陽平会長。〇八年三月からインターネットのブログなどで、たばこ一箱の値段を平均一〇〇〇円に値上げすることを提唱していた。氏の論はこうだ。〔たばこ一箱を現行の平均三〇〇円から平均一〇〇〇円にすると、九兆五〇〇〇億円のたばこ税の税収増が見込める。値上げで禁煙する人も増えるだろうが、仮に消費量が三分の一に減ったとしても、税収増は三兆円超。また禁煙する人が増え、健康被害が減って医療費が抑えられる〕
 三兆円もの税収増予測は、政府にとってじつに魅力的だ。超党派の「禁煙推進議員連盟」は、早速値上げの勉強会を開き、自民党税制調査会も、たばこ増税の検討を表明し、値上げ実現へ動き出した。
 禁煙推進派も、もちろん賛成だ。日本禁煙学会の作田学理事長は、〈値段を少しでも上げると、喫煙率が下がることは世界各国で実証されている〉として値上げ案を歓迎する。ただ、税収増を基礎年金に充てるのではなく、〈葉たばこ農家の転作支援やたばこ小売店の転業対策、禁煙教育に充てるべきだ〉と主張する(東京新聞〇八年七月一日付)。

税収増はほんとうか
 たばこ値上げ案には、当然ながら反発も大きい。ジャーナリストの斎藤貴男氏は、〈健康を害して高い医療費がかかるから高い税金を払えというのは、後期高齢者医療制度と同じ論法。世の中はお互いさまなのに人の生き方や好みを監視し排除するのはおかしい〉と批判する(朝日新聞〇八年五月三一日付)。
 もちろん日本たばこ産業(JT)は猛反発。木村宏社長は、大増税に踏み切れば九割以上消費量が減るかもしれないと危惧し、〈たばこが税を負担する能力は限界に来ており『捕らぬたぬきの皮算用』だ。福祉のための持続可能な財源にはふさわしくない〉と怒る(産経新聞〇八年七月一二日付)。
 消費量九割減とまでいかなくても、禁煙する人が増えて、三兆円の税収増は見込めないのではないかと疑問視する声も多い。
 日本経済新聞の調査では、一箱一〇〇〇円になったら、七五%が禁煙する、あるいはその努力をすると答えている。製薬会社ファイザーの調査でも、禁煙するという人が七九%だった。この数字を元に、かえって税収減になる可能性を指摘するのは、経済アナリストの森永卓郎氏である。
 たばこ一箱に七〇〇円増税して一〇〇〇円にすると、税収は二五〇〇億円増える。しかし、たばこ小売店に入る利益が現状と同じ販売価格の一〇%とすれば、税収増はほとんどなくなる。さらにたばこ消費量が五分の一になるので、たばこ産業の国内生産額一兆円のうち八割が失われ、経済的損失は八〇〇〇億円。そのうち一割が税金にはね返るとすると、税収減は八〇〇億円に達するというのだ(朝日新聞〇八年六月二六日付)。

たばこ規制条例は実現するか
「健康増進法」では、受動喫煙の防止を明記しているが、努力義務にすぎない。そのため、国のたばこ規制は生ぬるいと、地方自治体で独自に規制しようとする動きがでてきた。神奈川県では、飲食店やパチンコ屋などの娯楽施設を含めた公共の屋内をすべて禁煙または分煙にする、罰則付きの「受動喫煙防止条例」骨子案を県議会に提出した。
 松沢成文神奈川県知事は、〈税収と県民の健康どちらを取るかと問われれば、私は県民の健康を優先する〉(読売新聞〇八年七月八日付)ときっぱり語り、完全分煙しようとすれば設備投資が必要になるから、禁煙にしたほうがいいとしていた。しかし、業界団体の反発に譲歩するかたちで骨子案を改め、飲食・娯楽店等では分煙も選択できるようにした。ただし、学校や病院、官公庁などでは禁煙が義務付けられることになる。
 東京都千代田区から全国的に広がってきた、路上喫煙禁止条例の前例はあるが、屋内の喫煙を規制する条例ははじめてだ。

図表 紙巻きたばこ1箱(20本)の価格
  


2010年03月05日 Posted by tonton at 19:10Comments(0)●コラム・投稿・社説

たばこを売りたいのに、売りたくないフリをするタスポの矛盾

論 点 「たばこを規制すべきか」 2009年版
たばこを売りたいのに、売りたくないフリをするタスポの矛盾
[たばこ規制についての基礎知識]
【日本の論点PLUS】
http://www.bitway.ne.jp/bunshun/ronten/ocn/sample/ron/09/077/r09077BNB1.html
かとう・ひでとし
加藤秀俊 (社会学者)

そもそも自動販売機は無礼である
 わたしはもともと自販機というものが大嫌いである。無礼だからである。
 なぜ無礼かといえば、人間を卑屈にさせるからである。お茶、たばこ、清涼飲料水、その他もろもろ、自販機で物品を買うにあたってはまず硬貨を投入し、商品をえらんでからボタンを押す。そこまではいいのだが、購入者たる人間は機械のずっと下、地面スレスレのところにある取り出し口に手をのばして商品をとらなければならない。背広を着た紳士も、妙齢のご婦人も、みんな身をかがめ、お尻をつきだし、まことにみっともない姿勢で品物をうけとる。あんな物乞いのようなぶざまな格好をさせながら、自販機は機械の分際でデンと構えて、ありがとう、ともいわない。だから無礼だというのである。
 そんなしだいで、わたしはよほどのこと―たとえば列車のホームに売店がないとき―がないかぎり自販機でモノを買うことはしない。コンビニであれふつうの商店であれ、ちゃんと人間が販売しているところで買う。元来、商売というのは売り手と買い手が相対で取引するもの。品物の受け渡しだって当然、手を自然にのばしたときの高さ、つまり一メートルくらいのカウンター越し、というのがふつうであろう。それなのに自販機にはその常識も礼節もない。だから、自販機でモノを買うことはしない。
 それほどに無礼な自販機の一部が、こんどは売ってやるけど、まず身分証明書をみせろ、と権柄ずくな態度をとるようになってきた。いわずと知れた「タスポ」である。生意気にも程がある。ひとをバカにするのもいいかげんになさい。たばこが欲しくなればたばこ屋で買います。むかしからたばこはたばこ屋さんで買うものであった。自販機という無精な簡便法がそもそもオカシイのである。たばこ屋さんならひと箱買うだけでも「ありがとうございます」といってお愛想笑いをしてくれる。タスポなどという奇っ怪なものの提示を求められることもない。だれが自販機なんか使ってやるものか。

酒業界の潔さ、たばこ業界の未練たらしさ
 この「タスポ」という珍発明は財務省の意向によるもので、未成年者の喫煙防止にあるという。たしかに「未成年者喫煙禁止法」という法律には年齢の確認のために「必要なる措置」をとらなければならないとある。だが、そこが機械の浅ましさ。「年齢の確認」が自販機にはできない。だから「タスポ」によって確認させようというわけ。でも、そんな無理をしなくてもいい。解決策は簡単であって、要するに
自販機を全面的に撤廃したらそれでよろしいのである。だいたい、全国五〇〇万台をこえる各種自販機の年間使用電力はおどろくなかれ五五億キロワット。ざっと計算してみても一五〇万世帯ぶんの消費電力に匹敵する。節電、省エネをいうなら、あんなもの、ぜんぶなくしたらいいのである。コンビニ、キヨスク、など簡便な小売店はいくらでもある。なんの不自由はない。
 この点で酒類の自販機の処理はみごとであった。こっちにも「未成年者飲酒禁止法」というのがあるのだが、年齢確認のための「必要な措置」として業界は酒類の自販機をきれいさっぱりと撤廃することを決定。かつて全国に二〇〇万台ちかくあった酒類自販機はまだ何万台かが残存しているらしいけれどもいまや完全消滅の方向にある。
 それにくらべるとたばこのほうは未練ったらしい。たばこについての「必要な措置」も酒類にならって自販機撤廃、という単純明快な方法をとるべきなのであったのに、それをしなかった。
 なぜたばこ自販機に恋々としたのか。それは財務省もたばこ業界も全国六〇万台におよぶ自販機をつうじてたばこを売りたいからである。売りたいけれど、「必要な措置」をもとめる世間体があるから売りたくないようなフリをする。その結果が「タスポ」の発明であった。そこらあたりの根性がまことにさもしい。情けない。
 それに未成年の喫煙防止というが、十代の青少年というのはあれこれと知恵をはたらかせる天才である。わたしにだっておぼえがある。タカが「タスポ」ぐらいであきらめるものか。抜け道はいくらだってある。もしもわたしが一七歳の少年であるなら、兄貴分の先輩にたのんで買ってもらう。ただでさえ先輩面をしたい年長者はよろこんで代行してくれる。げんに、新入生歓迎コンパなどにはアルコール飲料が不可欠である。その気になれば、ビールだろうがたばこだろうが、簡単に手にはいる。そのくらいの才覚のない少年はちょいとオツムが悪い。失礼ながら、行く末まず見込みがない。

いっそたばこ屋の看板娘を復活しては
 ところで、きいておどろいたが、このタスポの開発と新自販機の導入にあたっては合計一〇〇〇億円という巨費が投じられたという。なにしろ住所、氏名、電話番号から顔写真までくっつけたICカードなのだから単純な機械ではない。これは精密機械であって大手のコンピューターメーカーから通信会社まで開発に参画している。つまり、どこのだれが、いつ、どの銘柄のたばこを買ったかがぜんぶ把握されているのだ。「個人情報」をこれだけ無神経に提供するほうもいささか無防備だが、白昼堂々とそれらの情報を集中管理する「タスポ」の発行元もまことに傲岸不遜である。
 もしも一〇〇〇億円などという巨額の予算があるなら、いっそそれをつかって全国一〇万軒のたばこ屋さんに一〇〇万円ずつ補助金を出して販売努力を奨励したほうがよかった。店舗をキレイにして、たばこも各種銘柄とりそろえる。「成人認識」のほうは店頭で人間がやればいい。もっとも、たばこの販売手数料は一割だそうだから、一日一〇〇個売って三〇〇〇円。これでは小遣いかせぎていどだから、まず手数料を三割くらいにする。そうすればたばこ屋さんの経営も悪い商売ではなくなる。なんだったら、たばこの値上げをしたっていい。好きなひとは高くなっても買う。市場原理というのはそういうものだ。
 むかしのように看板娘を配置するのもよろしかろう。すこし遠くても、嫣然たる笑顔を目当てに男どもはやってくる。全世界の高価な巻きたばこはもちろんのこと、葉巻、パイプ・たばこ、喫煙具などを売るのもいい。品揃えがよければ愛煙家は毎日のように足をはこぶ。いまではひっそりと「紳士用品店」になってしまった銀座の「菊水」などはそんな店だった。ああいう名店も復活していただきたい。

健康がそんなに大事なら砂糖も統制したら
 このさい誤解していただきたくないのだが、わたしは禁煙学会その他、あらゆる「嫌煙団体」のチョウチン持ちをして自販機撤廃をいうのではない。わたしはむしろ「最後の喫煙者」の著者、筒井康隆さんの味方なのである。あの短編小説は嫌煙運動が極端に達し、ついに国家権力が喫煙を全面禁止する、という物語。それに抵抗する「最後の喫煙者」たちは人権団体、嫌煙団体、それに警察や自衛隊のヘリコプターでどんどん追い詰められ射殺されるのである。筒井さんお得意のドタバタSFだけれど、わたしはこれを最初に読んだときの感動を忘れてはいない。
 たばこも酒も、しょせんは嗜好品。好きなひとがほどほどにたのしんだらよろしい。たばこについての疫学的研究のたぐいをわたしだって知らないわけではないが、すべては平均と確率の問題。おなじ手法でアルコール類、塩分、糖分、動物性脂肪分、などあらゆる食品、嗜好品が健康に及ぼす影響をしらべてごらんなさい。「スイーツ」などとカタカナで書くからわけがわからないが、砂糖で固めたような菓子類を「オイシイー」といって召し上がっているお嬢さまがた、そんなに糖分をとっていたら、デブになって血圧があがりますよ。「サトスポ」でも導入して菓子類の統制をしましょうか。  


2010年03月05日 Posted by tonton at 19:07Comments(0)●コラム・投稿・社説

喫煙は心の薬物依存。一服に癒しを感じたら症状が現れた証拠

論 点 「たばこを規制すべきか」 2009年版
喫煙は心の薬物依存。一服に癒しを感じたら症状が現れた証拠
[たばこ規制についての基礎知識]
【日本の論点PULS】
http://www.bitway.ne.jp/bunshun/ronten/ocn/sample/ron/09/077/r09077BNA1.html
いそむら・たけし磯村 毅 (トヨタ記念病院禁煙外来医師)

禁煙外来の患者の七割が再喫煙する
 かつて医師は貧困との戦いに苦しめられた。赤ひげが無料で病人を入院させ、食事と休養を与えて回復しても、退院すれば元の木阿弥である。今は豊さがあだとなる。退院したら元の暴飲暴食、運動不足に再喫煙というのなら、いたちごっこという点でかつてと同じだ。まさに「自分の健康は自分で守る」時代なのだ。とくにたばこは、がん、動脈硬化、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、メタボ、糖尿病の元凶だ。だが、たばこには個人の努力では解決しがたい問題がある。受動喫煙の被害とニコチンの依存性だ。
 禁煙外来での一年後の禁煙継続者は三割程度である。ニコチンパッチを貼っても最新の禁煙補助薬を飲んでも結局は七割が吸ってしまう。ここで注意すべきは、禁煙を始めて何カ月もたつのに再喫煙してしまう人は、体の依存が原因ではない点だ。なぜそういえるのか。
 単純である。何カ月も禁煙していれば体からニコチンは抜ける。ニコチンが切れるから吸いたくなる、という体の依存は治っている。ではなぜ吸いたくなるのか。それは心の依存が残っているからだ。この心の問題をめぐっては、非喫煙者を巻き込み、たばこの真の理解を妨げる、きわめて不都合な状況が生じている。

たばこ依存の仕組みはアヘン中毒と同じ
 たとえば口寂しいから吸いたくなる、という人にこんな説明がある。「それは、お母さんのおっぱいが恋しいからですよ」本当だろうか。もしそうならば、喫煙を始める前、一八~一九歳のころには、口寂しくてたまらなかったはずである。ところが口寂しくなるようになったのは、吸い始めてから! ということは、この口寂しさ自体が中毒つまりニコチン切れの症状という可能性はないか。
 ニコチンの中毒症状と似たものとして、日清戦争直後に四川省を旅行した英国人イザベラ・バードの『中国奥地紀行』の中に、アヘンの流行について次のような興味深い記述がみられる。
 清朝末期の四川省の大都市では、男性の八割、女性の四割がアヘン常用者だが、これは彼らがアヘンで「身体がぼろぼろになっている」ことを意味するわけではない、とバードはいう。〈中国には「節度ある」アヘン常用者が大量に存在するからである。(中略)私の乗った船の船尾は夜ともなれば全くのアヘン窟だった。そこでは、ぼろをまとった四人の男がアヘンランプをそばに置き、中国人苦力としての辛い日中には思い浮かびもしない極楽の夢を見ているような至福の表情をして、キルトの上で丸くなっていた。(中略)さらに船尾側では金切り声を上げてうるさい女房が、同じように幸せに満ちた様子で横たわっていた。〉(金坂清則訳)
 アヘンを吸引する人々の表情描写に思わず引き寄せられるのではないか。アヘンおよびニコチンを含む依存性薬物には、ドーパミンやオピオイドなどの幸せを感じるときに働く脳内物質をやりとりする神経を強制的に刺激したり、α波という癒しの力のある脳波を出させる力がある。ところが、ここにワナがある。薬物による強制刺激を繰り返すと、脳の機能が弱まり、幸せをになう神経物質やα波が出にくくなってしまうのだ。その結果、薬物使用量が増すばかりでなく、その人が本来感じていたはずの日常生活での「憩い」や「安らぎ」までもが感じにくくなってしまう。そして禁断症状ともあいまって精神が不安定になっていくのだ。
 中国人苦力としての仕事は辛いものであったろう。しかし夜になり一日の仕事が終われば、つかの間の安らぎが訪れるはずである。脳の機能が保たれていれば。ところがアヘンを常用していると、その安らぎが感じ取れない。心には穴が開いたまま。逆にあらゆる犠牲を払ってでもアヘンを吸引したくなる。
 喫煙者が食後にたばこを吸いたくなるのも同じ仕組みだ。本来なら感じてよいはずの食後の憩いが、ニコチンの慢性作用で何となく感じにくい。ついシメの一本が欲しくなる。
 問題は「節度ある」常用者という外見からは、この薬物のせいで本来の幸せが感じにくく、吸わずにおれないというカラクリが、当人ばかりか周囲の人にも認知できない点にある。当然、依存物質吸引後の満足そうな様子を見て自然に好奇心がわく。試してみたくなる。果たせるかな、先の紀行文にも、八年前には女や子どものアヘン吸引はむしろ例外的だったと記載がある。急速な蔓延だ。他人事ではない。アヘンのように害が劇的で、用心しやすい麻薬でもこうである。日本でもポストバブルの時代、社会規範が緩む中、ごく普通の若者、とくに女性の喫煙率が一気に上昇。取り返しのつかない事態となった。

無意識に足を引っ張る非喫煙者
 禁煙の困難さは非喫煙者の誤った思い込みが喫煙者の心の依存を助長している点にもある。こんな話を聞いた。「うちの社員はね、社長の私に会いに来る前に、一本吸ってから来るんだよ。何とかならんか」社長に呼ばれ社員は心配になる。Α波が下がってくる。ついたばこに手が伸びる。では、なぜ非喫煙者は社長に呼ばれ、不安になってもたばこが要らないのか。それは、非喫煙者には自前のα波が出てくるからだ。深呼吸数回でα波は増える。外の緑を眺めてもよい。社長室に向かう途中、無意識に深呼吸しているかもしれない。脳には本来、平静を保つ機能があるのである。ところが喫煙者はこの力が弱っている。際限なくα波が低下していく。何かと不安が募りストレスを感じやすい。禁断症状もおきる。それで喫煙者はたばこを切らすまいと用心し、箱に残った本数が減っただけで不安を感じる者も多い。こんな日常の中で、心は次第にたばこを失うこと(禁煙)への恐怖と、たばこを生きていくための必要悪と思う諦観とに支配されていく。これが心の依存の本質である。
 禁煙すれば脳の機能は回復する。だが、たばこへの誤解を引きずる人は多い。周囲や社会の風潮も足を引っ張る。私は吸わないと断りつつ「たばこには憩いと安らぎを提供する嗜好品としての側面も」と識者が語る。しかしそれを真に受けていたら、何年禁煙していても何かあったときには「憩い」を求めて吸いたくなってしまうではないか。 真実はどうか。たばこは本来、何の憩いも安らぎも生み出さない。生まれて初めての一本を思い出して欲しい。これがたばこの味である。社長に会う前の一本で落ち着いたのは、たばこのせいで脳が弱っていたからだ。そもそも、もともと吸っていなければ、大して気にもならずにすんでいたかもしれない。喫煙の影響で不安が募りストレスを感じやすくなっていたのだ。ところが当人も非喫煙者もたばこのおかげで癒されると信じている。せめて周囲の人だけでも真の理解をしていれば、喫煙者が心の依存を断ち切る大きな助けとなるはずだ。

子どもに喫煙を勧める親はいない
 有害性を学んでも子どもは吸い始める。「結局たばこってどんな味?」と目を輝かせて尋ねてくる。さらに困る質問に「悪いものをなぜ売るの」。禁酒法の失敗で答えると「値上げはできないの」。最後は苦し紛れに、「いつも国が正しいことをするとは限らない」と答えるが、かつて台湾ではアヘン対策に成功しており参考になる。
 喫煙室で密集して吸っている人を見て「これ以上いじめないで」と思うかもしれない。メディアではたばこ論争が花盛りだ。だが現実には、自己中心的な発言が目立つ世相にもかかわらず、意外なほど喫煙者からの主張は少ない。禁煙したいので増税をという人すらいる。きっと彼らの大半はたばこの本質に薄々感づいているのだ。約七割が止めたい、減らしたいと答え、自分の子どもにたばこを勧める人はまずいない。喫煙者はもちろん、大人にも子どもにも、私は吸わないからという身勝手な無関心を乗り越え、非喫煙者にもたばこに関する真の理解を広めるべき時だ。
 かつてコカコーラにコカインが含まれていた時代があった。人は一人で生きているのではない。コカインがコーラから除かれたことで、今の私たちはどんなに大きな恩恵を受けていることか。今度は私たちの番である。これ以上子どもたちをごまかすことはさらに社会を悪くする。しかしこの身近な問題で、大人が協力し合って責任ある行動を示し、社会を変えていく姿を見せれば、現在急速に失われつつある規範と連帯を再生し、新たな希望と活力をもたらす第一歩となるに違いない。   


2010年03月05日 Posted by tonton at 19:04Comments(0)●コラム・投稿・社説

受動喫煙防止 人が集まる場の禁煙を着実に(読売社説)

受動喫煙防止 人が集まる場の禁煙を着実に(3月2日付・読売社説)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20100301-OYT1T01278.htm
 受動喫煙による健康被害を防ぐため、禁煙ルールを厳しくする動きが顕著になっている。
 厚生労働省は、学校や病院、飲食店や遊技場、交通機関など、不特定多数の人が利用する場所では原則として全面禁煙にするよう、全国の自治体に通知した。
 健康増進法にもとづく措置だ。これまでは喫煙区域を設ける「分煙」でもよいとしてきたが、受動喫煙を防ぎきれないため、ルールを強化する。
 ただし、罰則はない。飲食店などで営業に深刻な影響が出る場合は、暫定的に分煙も認める。
 また、労働安全衛生法でも、職場の禁煙を事業主に義務づける方向で検討が進んでいる。
 背景にあるのは2005年に発効した「たばこ規制枠組み条約」だ。公共施設などで受動喫煙を防ぐことが、大きな柱として盛り込まれた。
 さらに、07年には「全面禁煙以外の措置は不完全」との指針が採択され、条約加盟国は2月までに対策を求められていた。
 自治体では、神奈川県が罰則付きの「受動喫煙防止条例」の4月施行を決めるなど、先んじて動き出している。これに対して厚労省の通知は強制力を持たないが、人が集まる場での原則禁煙ルールを全国に広げることになる。
 スモーカーが出す煙は、たばこを吸わない人にとって不快なものだ。受動喫煙が健康被害につながるとのデータは多い。多数の人が集まる所で禁煙を原則化していくのは進むべき方向と言えよう。
 日本は“喫煙大国”とも呼ばれている。特に成人男性の喫煙率は30%台半ばで、先進国の中では相当に高い。
 ただ、10年前には50%近くあったものが徐々に低下しており、たばこ広告の規制や健康被害の警告の効果が表れてきた。
 また、10月からは、たばこの値段が1箱あたり約100円値上げされる見通しだ。過去にない大幅な値上げを機に、禁煙に踏み切る人も少なくないだろう。
 こうした複合的な取り組みを着実に進めることが大切だ。
 その際に気をつけなければならないのは、行政が「健康」を押しつけることである。頭ごなしに禁煙運動を進めるようなやり方は避けるべきだ。
 公共空間や職場の禁煙も、愛煙家や飲食店などの理解と協力を得ながら進めるのが基本だろう。
 煙がなくなる代わりに、社会が息苦しくなっては困る。
(2010年3月2日01時27分 読売新聞)


行政が「健康」を押し付ける・・という表現は適切でないのでは。多額な医療費が税金から支払われているのですから、それは当然かと思いますし。何より、煙があって社会が息苦しかった人にとっては、なに1つ悪いことは起こりません。これは「禁煙運動」ではなく、喫煙・受動喫煙の危険性の告知ではないでしょうか。
  


2010年03月05日 Posted by tonton at 18:37Comments(0)●コラム・投稿・社説

全面禁煙 「受動」防ぐ対策を急げ/中国新聞社説

全面禁煙 「受動」防ぐ対策を急げ/中国新聞社説
【中国新聞】
http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh201003040118.html
全面禁煙 「受動」防ぐ対策を急げ '10/3/4
 たばこの煙害に悩まされてきた人から見れば、「やっと」の感もあるだろう。飲食店やホテルなど多数の人が利用する公共的な場所を原則として全面禁煙にするよう厚生労働省が先月、全国の自治体に通知した。速やかな対応を求めるという。
 分煙を基本としてきた従来の姿勢から、一歩踏み出した点は評価できる。全面的な禁煙以外に、他人のたばこの煙を吸わされる「受動喫煙」の害を減らすことはできない―という考え方が、今や世界の流れになっているからだ。
 たばこの煙には、ニコチンやタールをはじめ多くの有害化学物質が含まれている。息切れ、せき、たんが続く慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)や肺がん、心筋梗塞(こうそく)などを引き起こす。
 害は喫煙者本人だけでなく、一緒に暮らす家族や職場の同僚にも及ぶことが、科学的に明らかになっている。受動喫煙が原因で亡くなる人は、国内で毎年1万人に達するとの推計もあるようだ。
 もちろん厚労省もこれまで、手をこまねいていたわけではない。2003年に施行された健康増進法は、事務所や飲食店などの管理者に受動喫煙防止に「必要な措置を講ずるよう努めなければいけない」としている。しかし罰則規定がなく分煙も認めるなど、法律で厳格な対策を義務付ける欧米に比べると立ち遅れは否めなかった。
 翌年批准した世界保健機関(WHO)の「たばこ規制枠組み条約」のガイドラインも、公衆の集まる場所や屋内の職場を全面禁煙にする法的な措置を求めている。その期限が先月末だったことも、通知に踏み切った背景にあろう。
 全面禁煙の対象となるのは飲食店やホテルのほか官公庁や駅、学校、病院、デパートなどだ。屋外でも子どもが利用する公園などでは対策に配慮が必要としている。ただ、通知に強制力はないだけに実効のほどは未知数だ。
 一方、零細な飲食店を中心に「客離れ」への懸念があることもうなずける。ただ従業員の健康への影響も考えるなら、きちんとした対応をとることは避けて通れないのではないか。
 厚労省は、将来的には全面禁煙を目指すことを前提に、施設が分煙した上でポスターで明示する措置などを暫定的に認める方針を示している。「飲食店では喫煙しない」くらいの共通認識を、国民の間に広げる努力が欠かせない。
 自治体でも具体的な動きが広がっている。神奈川県は全国に先駆けて来月、公共施設や飲食店での喫煙を規制する罰則付きの条例を施行する。
 広島市では近く、禁煙か分煙か知らせる店頭シールを飲食店などに配るという。県内の大半のタクシーも来月から禁煙化される。こうした試みを、さまざまな場に広げてほしい。
 職場での受動喫煙を防ぐために労働安全衛生法の改正も、早く実現すべきだ。喫煙者の自覚を促すことを含め、地域ぐるみで機運を高めていきたい。  


2010年03月05日 Posted by tonton at 18:29Comments(0)●コラム・投稿・社説

☆全面禁煙 健康はみんなで守る/社説

全面禁煙 健康はみんなで守る 2010年2月25日/中日新聞社説
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2010022502000047.html
 厚生労働省は公共的な施設では原則全面禁煙を求める通知を出す。あくまでも努力義務であり、強制力はない。たばこを吸わない人への被害をなくすため、喫煙者はマナー向上に心掛けたい。
 全面禁煙の対象は、病院や学校はもちろん、官公庁、ホテル、飲食店、駅などの施設のほか、鉄道やタクシーなども含まれる。
 喫煙が人体に悪影響を及ぼすことは多くの研究から指摘されている。非喫煙者であっても、他人の吸うたばこの煙にさらされる「受動喫煙」によって健康被害が懸念されている。
 「分煙」は進んでいるが、喫煙室の仕切りが不十分だったり、ドアの開閉時に煙が流れ出るケースがある。中途半端では受動喫煙は防げないため、全面禁煙で取り組むというのが通知の狙いだ。

 日本も批准している「たばこ規制枠組み条約」は受動喫煙防止策の実現を締約国に求めており、その期限は今月末だ。通知は、対策に迫られての対応ともいえる。
 全面禁煙といっても、罰則規定がないから実効性を疑問視する意見が出ている。海外では公共の場での喫煙を立法化して禁じる例が少なくない。喫煙を黙認した施設管理者に罰金を科す国もある。
 国際的にみれば、日本は喫煙者や業者に相当配慮しながら、少しずつ禁煙対策を進めている。
 全面禁煙には飲食店業者やパチンコ店業者などから反発が強い。四月から施行の神奈川県受動喫煙防止条例は業界の反対を受け、分煙や例外が認められ、当初案に比べて後退した内容になった。
 「喫煙客の足が遠のき、経営に影響する」という訴えだ。だが、牛丼店やハンバーガー店の大手チェーンでは、全面禁煙に取り組んでいるところもある。
 日本の成人喫煙率は減少傾向にあり、いまや四人に一人だ。禁煙を歓迎して訪れる客もいるのではないか。規模が大きい施設であれば全面禁煙を試みてほしい。
 最近は「三次喫煙」の被害を唱える専門家も現れている。受動(二次)喫煙ではなく、喫煙者から出た煙を浴びた衣服や髪などが有害物質を散らすという被害だ。これも全面禁煙なら防ぐことができる。
 喫煙者には、罰則がなくても今回の通知は煙たい内容にちがいない。しかし、無視して公共の場で紫煙を漂わすなら罰則を求める声が高まるだろう。通知を順守することは「喫煙者の権利」を守ることにもつながるのではないか。


全面禁煙 迷惑なことはやめよう(2月27日)/北海道新聞社説
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/217815.html
 不特定多数の人が利用する施設での全面禁煙を求める通知を、厚生労働省が都道府県に出した。
 たばこの煙は喫煙者本人だけでなく、周りの人の健康にも害を及ぼす。受動喫煙が、肺がんや心筋梗塞(こうそく)などを引き起こす危険があることは科学的にも立証されている。
 非喫煙者の受動喫煙を防ぐのは、喫煙者のマナーだ。それが十分に守られていない以上、施設を禁煙にする措置はうなずける。
 禁煙対象となる施設は、学校や病院、官公庁、デパート、飲食店、旅館、娯楽施設、公共の乗り物などだ。自治体を通じて各施設に通知の徹底を図る。
 このうち、いきなり全面禁煙にすると、経営的に大きな打撃を受ける恐れのある飲食店や旅館などは、暫定的な措置として喫煙区域を明示しての分煙も認めるとしている。
 2003年に施行された健康増進法は、多数の人が集まる施設での禁煙を努力目標とした。それだけでは受動喫煙を完全には防げない、という意味が通知に込められている。
 日本も批准し、05年に発効した「たばこ規制枠組み条約」は屋内の公的施設と職場での全面禁煙を求めている。欧米では飲食店での全面禁煙など、受動喫煙の防止対策が進んでいる。
 厚労省の有識者検討会も今月中旬、職場で労働者が受動喫煙する機会を減らすことを事業者の義務とし、全面禁煙か、煙が外部に漏れない喫煙室の設置が必要とする報告書の骨子をまとめた。
 神奈川県では4月に受動喫煙防止条例が施行される。屋内の喫煙を罰則付きで規制する全国初の試みだ。こうした取り組みは今後さらに加速するだろう。公共の場での禁煙は時代の要請と言える。
 今回の通知に罰則はないものの、喫煙者は趣旨を十分に理解し、マナーを守ってほしい。他人がいやがったり、迷惑になったりすることはしないということだ。
 厚労省の調査によると、08年度の成人の喫煙率は21・8%で、5年前に比べて5・9ポイントも減った。喫煙者の中にも、たばこをやめたいと思っている人が3割ほどいる。
 通知はそういう人たちにとって、禁煙の絶好の機会になることも期待される。
 ただ、忘れてならないのは、たばこは法律で認められた嗜好(しこう)品であるということだ。
 仮にも喫煙者を異端視し、社会から排除しようとするようなことがあってはならない。通知を機に、互いの立場を尊重し、喫煙者も非喫煙者も住みよい社会をつくりたい。

  


2010年02月27日 Posted by tonton at 22:04Comments(0)●コラム・投稿・社説

健康重視、新政権に期待 /和歌山

記者が体験:禁煙日記 健康重視、新政権に期待 /和歌山
【毎日jp】
http://mainichi.jp/area/wakayama/news/20100220ddlk30100421000c.html
 医療従事者や学校関係者らを対象に、禁煙対策を進めるシンポジウム(有田地方地域・職域・学域保健連携推進協議会主催)が1月28日、湯浅町湯浅の湯浅保健所であった。禁煙・分煙・防煙の取り組みを紹介し、約50人が参加した。
 同保健所長の森岡聖次さんがたばこ対策の歴史を解説。白衣を着た男性が笑顔でたばこを手にする米国のポスターを示し、「以前はよく、たばこ会社のテレビコマーシャルに医師が登場し、『のどのイガイガが少ない』などと健康への悪影響を錯覚させた」と振り返った。さらに、WHO(世界保健機関)が05年から義務付けたパッケージの3割以上に添付する健康被害の警告文について、「英国が『Smoking kills(喫煙で死ぬ)』と直接的なのに対し、日本の内容は控えめ。文字も小さく、わざと読みにくくしているのかと想像してしまう」と苦言を呈した。
 また、10年度税制改正で大幅増税かと注目されたが小幅な引き上げにとどまったたばこ税にも言及。「1箱300円の製品なら400円程度になる。500円を期待したが、たばこ産業の健全な発展と財源確保などを目的とするたばこ事業法が、今回もハードルになった。健康重視を打ち出している新政権のイニシアチブに期待したい」とまとめた。
 後半は、▽桜ケ丘病院(有田市)の内科医長、西山稔さん▽竹島鉄工建設(同町)の総務部長、竹島晴美さん▽同市の保健師の楠本智子さん--の3人がパネリストを務め、それぞれの取り組みを紹介。
 西山さんは、学生向けに作成したテストを会場で配布。喫煙とぜんそくなどとの関連性を答えるもので、「その場限りにしないため、事前に手渡して予習してもらう」とこつを説明した。竹島さんは従業員へのアンケート調査を、楠本さんは小中学校での防煙教室の広がりを報告した。【加藤明子】
  


2010年02月21日 Posted by tonton at 20:01Comments(0)●コラム・投稿・社説

たばこは嫌われもの?まずは喫煙マナーを徹底

たばこは嫌われもの?まずは喫煙マナーを徹底
2月15日16時47分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100215-00000565-san-bus_all
【風 たばこ税】(13完)
 たばこ増税と喫煙をテーマにした今回の「風」。増税に対し、事前には「反対が圧倒的か」とも予想していたが、集計してみると賛成約37%、反対約43%と、比較的拮抗(きっこう)していた。増税の影響を直接的に受けない非喫煙者のご意見も多く、よほどたばこは嫌われているものだと感じられた。
 《国民の健康を考えて1箱千円以上にすべき》(奈良県の元喫煙者)、《千円だったら主人もたばこを辞めざるを得なかったのに》(48歳女性)など、値上げ幅が小さかったとする声が多かったが、関心を集めたのは健康問題。
 とりわけ医療関係者の方は、たばこの害を挙げた上で、《喫煙は社会のクオリティー・オブ・ライフを低下させる》(千葉県の総合病院副院長)、《この国は遅れている。税金のためなら国民の健康はどうでもいいと言わんばかり》(循環器内科の開業医)と訴えるなど、すべて増税賛成の立場だった。
 一方の反対派。《たばこを吸う人間をいじめないで。庶民のささやかな楽しみです》(広島市の男性会社員)という“被害者意識”が目立った。しかし、《たばこやめました。財源が足りないからたばこ税で補う民主党に税金を払いたくないから》(53歳女性)、《これを機に禁煙しようと思っている。民主党政権には払いたくない》(21歳のHさん)という、政治不信からの反発も少なくなかった。
 喫煙者と非喫煙者の意見は鋭く対立しているようにも思えるが、実は共通点もあった。「マナーの問題」である。《吸わない人にとってどれだけ迷惑かが、ようやく分かった。前を歩いている人、すれ違う人の煙が苦しい》(3年前に禁煙したという43歳会社員)というメールもあった。
 たばこをテーマとした「風」は、ひとまず最終回。これまでいただいたご意見から得られた教訓は、まずはマナーを守り、分煙を徹底すること。たばこの諸問題はやはり、この原点から問い直すべきなのだろう。
 《3日で2箱程度》という39歳の喫煙者も、こうつづっている。《肩身の狭い喫煙者の皆さん、モラルやマナーが守られていれば、こんなに高くならなかったでしょう》(真)
 次回の「風」は「高速道路無料化」です。ドライバーには朗報ですが、実施区間が細切れであったり、温暖化対策に逆行する、フェリーや鉄道など民業を圧迫する、との問題も指摘されます。高速料金はどうあるべきなのか。皆さんのご意見をお待ちしております。
Eメール Kaze@sankei.co.jp FAX 06-6633-1940郵送 〒556-8661(住所不要)産経新聞社会部「風」 お便りには、ご自身の電話番号、年齢を明記してください


《肩身の狭い喫煙者の皆さん、モラルやマナーが守られていれば、こんなに高くならなかったでしょう》・・・TVでのタバコ会社マナーCMの影響でしょうか。タバコ問題は「モラル」や「マナー」の問題だと言われがちですが、私はそれは違うと思っています。タバコ(ニコチン)に依存してしまうことによって、他人の気持ちや迷惑を考えられなくなってしまうほど喫煙を優先させてしまうのがニコチン依存であり、1つの病気だと思います。だからこそ、タバコ問題には明確な「ルール」「法律」が必要になってきていると思います。
  


2010年02月17日 Posted by tonton at 14:56Comments(0)●コラム・投稿・社説

【風】写真入り警告表示、どう思う?

【風】写真入り警告表示、どう思う?
【 産経新聞】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100202-00000066-san-soci
 「喫煙は、あなたにとって肺がんの原因の一つとなります」
 こんな注意書きが、厚生労働省のホームページのアドレスとともに、たばこのパッケージの表面下部に目立つ形で記されるようになったのは、平成16年11月から。ほかに「心筋梗塞(こうそく)の危険性を高めます」など、全部で4種類の文面がある。
 裏面下部や側面にも、副流煙の問題やニコチン依存、「マイルド」などの表記が健康への悪影響の小ささを示すものではないことなどが書かれている。かつて、側面に「健康のため吸い過ぎに注意しましょう」とあっさり書かれていたのに比べて、大きく変化した。
 日本など世界の多くの国々が批准している「たばこの規制に関する世界保健機関(WHO)枠組み条約」(2005年2月発効)には、たばこの包装やラベルに関する条文もある。たばこのパッケージに「有害な影響を記述する、健康に関する警告を付する」ことを求めており、警告文は「主たる表示面の50%以上を占めるべきであり、30%を下回るものであってはならない」「写真もしくは絵を含めることができる」などと細かく規定されている。
 条約発効に先立つ2000年6月、世界で初めて写真入りの警告文に関する法律を制定したカナダでは、「紙巻きたばこは脳卒中の原因になる」という文とともに、罹患(りかん)した脳の写真を掲載。ブラジルでは、一部が壊死(えし)した足の写真とともに「この壊死は、たばこ消費によってもたらされた」と記している。
 米国対がん協会の「タバコアトラス2009」によると、男性喫煙率はカナダで19・0%、ブラジルは20・3%。日本(日本たばこ産業調査)の38・9%に比べて低く、喫煙率の引き下げに一定の効果をもたらしているのかもしれない。
 「枠組み条約にも書かれているのだから、日本も写真や絵入りの警告表示にすべきだ」と話すのは、産業医科大学産業生態科学研究所の大和浩教授。「各国はCO2を減らすのと同じような意識で取り組んでいるのに、日本では進んでいない」と指摘する。
 いささかショッキングな写真入り警告。みなさんは受け入れますか?
(U)


受け入れられないでしょう・・・タバコを自分の体に。
  
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2010年02月03日 Posted by tonton at 20:41Comments(0)●コラム・投稿・社説

☆ベランダ喫煙では室内の受動喫煙は防げない

【中日新聞、東京新聞共通】

01年8月
ホタル族の紫煙 お隣はイライラ 嫌なにおい 布団や部屋に 近所同士だけに面と向かっては言いにくくて…マンションに住む女性は、隣の「ホタル族」にイライラさせられている。
 マンションを購入して二年目。隣の人は、いつもベランダの右隅に灰皿を置き、たばこを吸う。右隣に住む田中さんにとっては、布団や洗濯物を干す場所と至近距離だ。窓を開けておくと、嫌いなにおいが部屋の中に入って来る。
 ベランダの左側は駐車場になっていて、“迷惑度”が小さいのに「どうして、こっち側で吸うのだろう」といつも気になる。
 しかし、面と向かって注意するのは「隣同士だし、気まずくなっては…」と気が引ける。我慢するうち、だんだん腹が立ってきて、隣人にもそっけない態度を取ってしまう。「同じ年ごろの子どももいるのに、これからどう付き合っていけばいいのだろうと不安な毎日です」と訴える。

   ■   ■

 室内での喫煙は壁や家具などが汚れる、子どもの健康にも良くないと、ベランダを喫煙場所に決めている家庭は珍しくない。しかし、その煙が隣のひんしゅくを買ってしまうケースも多いようだ。取材班に届いた手紙をみると-。

 「クーラーは体に良くないので、真夏の夜は、できるだけ窓を開けて過ごしたいのですが、隣家のご主人がベランダでたばこを吸われます。そのにおいが私どもの部屋にまで漂ってきて、気分が悪くなります。もちろん隣のご主人に悪気がないことは分かっていますが、たばこを吸わない家庭では不快に思っていることを知っていただきたいものです」(女性)

 「隣のご主人がホタル族です。何が迷惑かというと、たばこのにおいが洗濯物につくことです。特に、洗濯物が湿っているときに吸われると、においがつきやすいんです。なるべくご主人が出勤されている間に干すようにしているのですが、休日などはそうもいかないし、腹が立ってきます」(女性)

 「朝起きたとき、子どもたちと食事をしているときなどに、嫌なにおいが漂ってきて、子どもが“くさい”と叫び、慌てて窓を閉めます。でも、分譲マンションだし、お隣ともめ事を起こしたくないので、毎日我慢しています。たばこの煙には、不快感を通り越して嫌悪感を覚えます」(女性)

 
「両隣と下の部屋の人が、ホタル族。風向きによってはかなりにおいます。自分の家族のためにベランダで吸っているのだと思いますが、それが他人の迷惑になるとは少しも気づいていないようです」(女性)

   ■   ■

 投書に共通するのは「言いたいけれど、言えない」「気持ちを察してほしい」という悩みだ。
 勇気を出して言えば、やめてくれる人も多いのかもしれないが、お隣同士で角が立つことをしたくない。
 一方、喫煙者はたばこのにおいに鈍感で、隣人のいらだちになかなか気づかない。たばこの煙に敏感な人が増える中で“迷惑ホタル”は、現代のマンション問題の一つになりつつあるようだ。(迷惑たばこ取材班)



08年11月

ベランダ喫煙 効果なしの報告 室内での受動喫煙 防げず
 国立がんセンターが今月実施した市民向けがん情報講演会で「ベランダ喫煙も禁止」を求める報告があった。紫煙を嫌がる家族を思いやって“ホタル族”になっても、煙が室内に流入し、受動喫煙を防げないという研究結果が出たという。


 ベランダ喫煙の研究班は、厚労省も基準に使う粉じん濃度で、ベランダでの喫煙時、閉め切った室内の有害物質の浮遊状況を調べた。喫煙前、室内の濃度は一立方メートル当たり〇・〇一ミリグラムだったが、喫煙中は最大〇・一二ミリグラムと十倍以上に上昇した。
発表を担当した大和浩産業医科大教授は「サッシのすき間からたばこの煙が流れ込む」と説明した。


 さらに、吸い終えて室内に入った後の約四十呼吸(約二百秒)で煙粒子が吐き出され、ガス状の有害成分は口や衣服などから数時間漂うことも指摘。大和さんは、
ベランダ喫煙では室内の受動喫煙を防げないと結論づけ、「家族だけではなく、近隣住民にも受動喫煙を強いるベランダ喫煙は法的に禁止すべきだ」と報告した。

 マナーの問題とせず明確な禁止を求めるのは「健康増進法(二〇〇三年施行)の不備に学んでいる」(大和さん)からという。同法では各種施設で受動喫煙を防ぐよう求めているが、罰則規定はない。努力義務のため、対策に踏み切らない飲食店もある。禁煙にしていない店では、店内に子どもがいても喫煙する客もいるのが現状で、受動喫煙は防げていない。

 同法により、学校の敷地内禁煙などは進んだが、家庭は置き去りのままだ。この傾向は各国に共通し、国際対がん連合(UICC)は今年二月「たばこの煙から子どもたちを守るには」を出版。特に「家庭内の喫煙禁止の割合を高める取り組みが必要だ」と呼び掛けた。

 ベランダ喫煙の煙は、近隣の家庭の洗濯物にかかり、窓から入る場合もあるが、集合住宅ではトラブルを避けて泣き寝入りになりがちだ。「肩身の狭い愛煙家を、嫌煙家がさらに責めたてる」との声もまだまだ強いからだ。

 だが、受動喫煙の害は徐々に知られ、煙は「嫌う」ではなく、被害を避ける対象になっている。喫煙者が吸い込む煙に比べ、立ち上る煙はニコチン、タールなど有害物質を二・八-四十六倍も含む。日本も批准したたばこ規制枠組み条約は「タバコの煙にさらされることが死亡、疾病及び障害を引き起こすことが科学的証拠により明白に証明された」と明言した。


 たばこは嗜好(しこう)品との主張は根強い。しかし、仮に自らの体を害する自由はあっても、周りの人々の健康を害する自由まではない、とみるのが妥当だ。受動喫煙がやまない現状では、新たな規制もやむを得ないだろう。(生活部)



09年5月

有毒性への認識 足りず 公園や家庭で被害 求められる規制、警告の強化
 健康増進法の施行から六年が経過し、路上や駅など公共の場での喫煙規制が進んでいる。しかし、規制対象から外れた公園や喫煙所、規制の届かない家庭などで受動喫煙の被害は依然続いている。三十一日の世界禁煙デーを機に、現状を報告する。

 東京都北区の児童公園。滑り台などで遊ぶ子どもたちを囲む形で、園内三カ所に灰皿が置かれ、十人ほどが紫煙を上げる。八カ月の女児を連れた母親は「子どもに悪影響がありそうで嫌」と顔をしかめるが、喫煙する無職男性は「公園で吸うぐらい、いいじゃない」。会社員男性は「灰皿が置いてあるから。道路じゃ吸えないし…」と言い訳した。

 同区は昨年十二月、路上喫煙防止条例を施行したが、逆に、規制対象外になった公園などでの喫煙が目立つようになった。同じ趣旨の条例は千代田区や名古屋市など、全国約五十の自治体で制定されているが、公園での喫煙を規制しているのは、千葉市、豊島区など少数だ。罰則付きで先進的な受動喫煙防止条例を定めた神奈川県でも、公園での規制はない。公園などが喫煙者のたまり場となることを防ごうと、厚生労働省の受動喫煙防止検討会は三月、「公共的空間は原則全面禁煙に」と求める報告書を出した。

 実際、屋外喫煙でも、風下側にいる人は受動喫煙の被害を受けやすい。産業医科大の大和浩教授(健康開発科学)が実験で、通学路を歩く喫煙者の後方五メートル地点で汚染度を測ったところ、喫煙室基準と同程度から倍近くの数値が出たという。大和教授は「屋外でも受動喫煙の被害を受けるのは明らかで、通行者の多い公道、通学路、公園、遊園地は禁煙化が必要」と結論づけた。

     ◇

 また「法的規制の及ばない家庭で、受動喫煙にさらされている子どもたちがいることが大きな問題」と、国立がんセンター研究所の望月友美子医師は警鐘を鳴らす。「気遣っているつもりで、ベランダや換気扇の下で吸う保護者もいるが、子どもの受動喫煙を防げていない」と大和教授。

 中央内科クリニック(東京都中央区)の村松弘康呼吸器内科医師が今年二月診察した、ぜんそくの女児は両親が喫煙者だった。両親は、女児から離れた部屋や外で喫煙していたが、女児の発作は家族と一緒に過ごす週末に集中して起こっていた。村松医師は「外で吸った親が部屋に戻って吐く息で、発作を起こす子も多い」と両親を指導した。

     ◇

 「日本では、たばこの有毒性がしっかり周知されていないから、対策が不十分になっている」と苦言を呈するのは、たばこ問題情報センター(千代田区)の渡辺文学代表。「商業施設の入り口や主要駅近くなど、人通りが多く受動喫煙の起きやすい場所に平気で喫煙所を設けていることからも、有毒性に対する認識が甘いことが明らか」と指摘する。

 受動喫煙の煙には、ニコチン、シアン化物、ヒ素、カドミウムなど数百種類の有毒汚染物質が含まれている。公共の場の全面禁煙化が進む欧米各国やオーストラリア、タイなどでは、たばこパッケージの健康警告表示も、損なわれた肺の写真などを使ったインパクトが強いものだ。一方、日本の表示は、警告文のみにとどまる。日本も批准している「タバコの規制に関する世界保健機関枠組条約」では、写真入り警告を推奨しており、日本でも警告表示の強化が求められている。
 国内で受動喫煙に対する危機意識が浸透しない一因として、望月医師は「本当に深刻な害があるなら、行政から“それなりの規制”があるはずという意識がある」と分析。
「食品や家庭用品の場合と同じ考え方、つまり科学的根拠に基づいて、国が率先して屋内の全面禁煙など適切な規制を進めることが必要」と訴える。

  


2010年01月29日 Posted by tonton at 21:06Comments(0)●コラム・投稿・社説

【風】禁煙タクシー客離れは杞憂/大阪

【風】禁煙タクシー客離れは杞憂
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100122-00000070-san-soci
 産業医科大学産業生態科学研究所の大和浩教授による都道府県庁の喫煙対策状況調査によると、庁舎内禁煙化について「検討後分煙」となった自治体が11都県あった。大和教授は、この姿勢を問題視している。
 昨年3月に出された厚生労働省の「受動喫煙防止対策のあり方に関する検討会」報告書では、今後の受動喫煙防止対策の基本的な方向性として「多数の者が利用する公共的な空間については、原則として全面禁煙であるべきだ」と規定。行政は、全面禁煙とすべき施設を提示することが必要とし、その例として官公庁や公共交通機関などを挙げている。
 大和教授は、この方針にのっとると、都道府県庁は分煙でも不十分という考え。「全面禁煙をやれている自治体もあるのに、あきらかにおかしい」と話す。
 官公庁とともに、最近、禁煙化が急速に進んでいるのがタクシーだ。法人タクシーの事業者団体、全国乗用自動車連合会の調査によると、全車禁煙に踏み切った自治体は昨年11月1日現在で37都府県。台数ベースでは、平成20年度で法人タクシーの約7割にあたる約16万1700台にのぼった。
 一方、三大都市圏では大阪だけが未実施となっている。
 大阪タクシー協会が19年7月、加盟約150社に行ったアンケートでは、7割以上が「府内全域の一律禁煙化」に反対したという。屈指の激戦区で、客離れやトラブルを心配する事業者側の心情がうかがえる。
 だが、大和教授は「まったくの杞憂(きゆう)。全車禁煙を行って、客離れが起きているというところはない」と断言する。
 大阪市東淀川区のタクシー会社「国際興業大阪」(保有548台)は20年2月、大阪府内の会社で初めて全車禁煙に踏み切った。客や従業員の健康維持とともに、18年11月から数台試験導入した禁煙車が好評だったことも後押しとなった。
 「当初はクレームへの不安もありましたが、大きな問題はなく、逆に『子供を乗せるのでよかった』などと好評を得た」と同社。「客離れも考えたが、やってみて、全車禁煙で売り上げが減ったということはありません」と話す。
 拡大を続ける禁煙タクシー。導入は、もはや時代の流れなのかも。


  


2010年01月24日 Posted by tonton at 20:00Comments(0)●コラム・投稿・社説

【風】「住みにくい世の中になった」/大阪

【風】「住みにくい世の中になった」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100121-00000064-san-soci
 喫煙者の間でも、分煙に関する認識はかなり定着したようだ。非喫煙者に迷惑をかけないように、許された場所以外では吸わないというスタイルが、喫煙マナーの基本となっている。
 日本では、平成15年5月施行の健康増進法に、受動喫煙の防止が盛り込まれた。多数の人が利用する施設の管理者は「必要な措置を講ずるように努めなければならない」と定められ、都道府県知事らにあてた厚生労働省健康局長名の15年4月末の通知で、具体的方法として全面禁煙や分煙を採用するよう求めている。
 産業医科大学(北九州市)産業生態科学研究所の大和浩教授がまとめた調査によると、都道府県の庁舎内を禁煙にしている自治体は、15年5月からの佐賀をはじめ、21年3月末現在で17道府県。うち大阪府では、20年5月末から、敷地内での全面禁煙に踏み切った。
 大阪府では15年5月以降、分煙を行っていたが、橋下徹知事が20年3月に「税金をもらっている職員が(勤務時間中の庁舎外喫煙を)1日に何度もやっていては、府民の理解は得られない」と問題提起し、流れが一気に加速した。
 「最初のころは『せめて庁舎の外には灰皿を置いて』という職員もいました」と府企画厚生課。府では健康面への配慮に加え、職員が勤務時間中に屋外で何人も固まってたばこを吸っている姿が府民にどう映るかということも考慮し、押し通したという。「当初は来庁者の方からも『何で吸えへんの』という問い合わせがありましたが、最近ではほとんどなくなりました」
 同課によると、毎年夏の健康診断に合わせて行う喫煙率調査では男性職員で全面禁煙実施前の19年度が33・5%だったのに対し、21年度は28・2%に減った。「全面禁煙前に比べて減少幅は大きくなった。さらに職員の禁煙促進につながれば」と同課。
 ただ、たばこを吸う職員にとっては、非常につらい環境のよう。外出が許される昼休みの時間帯、近くの大阪城公園やコンビニ前などで“まとめ吸い”する職員もいて、府民に見とがめられることもあるという。
 ある喫煙者の職員が、あきらめ顔でつぶやいた。「時代の流れやからやむを得んけど、住みにくい世の中になりました」

  
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2010年01月24日 Posted by tonton at 19:56Comments(0)●コラム・投稿・社説

◎火が消えた後にも被害「サードハンドスモーク」

記者が体験:禁煙日記 火が消えた後にも被害 /和歌山
http://mainichi.jp/area/wakayama/news/20100116ddlk30100470000c.html
 「サードハンドスモーク」という概念を昨年1月、米国の学会誌で小児科医らが提唱した。たばこの火が消えた後に被る三次喫煙被害のことだ。「残留受動喫煙」「残留たばこ成分」などとも呼ばれる。
 喫煙後の肺の中、部屋の壁紙やカーペットなどに有害物質が付着し、会話したり室温が上がったりすると空気中に発散されやすくなるという。屋外や仕切られた喫煙室で喫煙しても、受動喫煙を防げない。
 湯浅保健所の森岡聖次所長によると、06~09年の県内小学校の報告で、「家族の誰かが喫煙する」と答えた児童は65~85%。「ベランダで吸う『ホタル族』も家庭に有害物質をまき散らしてしまう。喫煙者の子どもにはぜんそくなどの疾患が多い。個人の自由と子どもの健康を守る責任のどちらが重要か考えてほしい」 愛知県豊橋市の豊橋技術科学大の斉戸美弘准教授らは1リットル中のナノ(10億分の1)グラムという微量の物質を正確に測定する機器を開発。昨秋、三次喫煙について論文を発表した。
 実験は車内や布を入れた容器内で、たばこの先端に火をつける。燃焼後に車内や容器内を換気したうえで、ベンゼン、トルエン、アンモニアなどたばこの有害物質の空気中濃度を調べた。
 容器内に入れた布は、綿▽麻▽絹▽ポリエステル▽裏地などに用いられるアセテート。アンモニアは綿に最も多く吸着・発散した。ベンゼンやトルエンはアセテートが多く、絹には少なかった。長く換気するほど量は減るが、10分以上発散することが確認された。
 車では換気後、再びドアを閉めた。車内の空気中濃度は徐々に上昇、一定の高さで変化が止まった。内装材に吸着した物質がゆっくり発散するからだ。密閉度の高い車内では外に流出しにくく、除去は難しい。
 JR西日本は昨年6月、紀勢線などの特急列車「くろしお」「オーシャンアロー」を全車禁煙に。それまで喫煙用に使った48車両を買い替えることは難しいため、灰皿を撤去してスチームや無香触媒などで消臭・洗浄した。しかし当初は「たばこ臭い」「気分が悪い」という乗客もいて、空席があれば車両を移ってもらったという。
 斉戸准教授は「健康被害との因果関係ははっきりしないが、たばこのにおいへの不快感はあった。たばこの関連物質は洗剤で洗えば除去できるが、長年使われてきたシートの内部まで完全洗浄することは難しいだろう」と話す。【加藤明子】  


2010年01月17日 Posted by tonton at 16:07Comments(0)●コラム・投稿・社説

◎禁煙ルールは時代の流れ 神奈川県の「たばこ対策」

禁煙ルールは時代の流れ 神奈川県の「たばこ対策」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091227-00000506-san-l14
 「禁煙の取材を頑張って」。東京から横浜へ転勤が決まったとき、職場の先輩が本をくれた。タイトルは「受動喫煙防止条例」。たばこ嫌いの先輩は都民だが、神奈川県のたばこ対策に関心を持ち、本紙生活面に何度か関連記事を書いていた。
  [表で見る]職場における喫煙対策の実態
 その中で、へえっと思ったのが「条例案の議論を始めてから、県庁周辺では自主的に禁煙にする飲食店が増えてきた」とのくだり。「条例による喫煙規制」をテーマにした4月10付「金曜討論」欄で、松沢成文知事が述べていた。
 公共性の高い施設での喫煙を禁止する全国初の「受動喫煙防止条例」が来年4月に施行され、飲食店なども一部を除いて禁煙か分煙となる。
飲食店などが反発していると聞いていたが、施行に備えて改装する飲食店もある。禁煙のバーなどもあるようだ。
 ファミリーレストランの「ロイヤルホスト」は11月、条例の対象となる店を来年3月1日までに全席禁煙とすると宣言した。今夏、全国9店舗を全席禁煙に改装したら、リニューアル当初の来店客数が非改装店舗と比較して約13%増とのデータがあるそうだ。客席は禁煙でも、店内に独立した喫煙ルームがある。そこでは堂々と吸えるとあって、喫煙者にも好評らしい。
 広報担当者によると「首都圏以外では喫煙に比較的、寛容」だそうで、全国一斉に禁煙とはいかないようだ。しかし、記者が妊娠していた15年前は、煙に悩まされたこともあったから、時代は変わった。
 11月に横浜へ転勤して最初の取材は、海水浴場を原則禁煙とするルールの導入に向けた検討会。横浜市や鎌倉市など関係する14市町が議論する場だった。焦点は罰則を設けるかどうか。結局、罰則規定は3年先送りされたが、禁煙そのものに反対はなさそうだった。
 ビーチの禁煙には、市町村では先例がある。「鳴き砂」で有名な京都府京丹後市の琴引浜や、和歌山県白浜町の白良浜は条例で喫煙が禁じられている。目的は受動喫煙防止より、きれいな砂浜を守るため。神奈川県が提案する海水浴場の禁煙ルールも、ごみを減らすのが主眼だ。
 今夏、無作為抽出で実施された県民ニーズ調査によると、たばこを「吸わない」と答えた人が72.7%。「以前は吸っていたが1カ月以上吸っていない」と答えた6.4%も合わせると約8割が非喫煙者。海水浴場を原則禁煙にするのも「賛成」73.7%、「どちらかというと賛成」11.9%で、禁煙ルールはもはや時代の流れといえそうだ。(寺田理恵)

■受動喫煙防止条例 不特定または多数の人が出入りできる公共的施設での喫煙を禁止する条例。学校、病院、金融機関など第1種施設は禁煙。飲食店、宿泊施設、娯楽施設、サービス業を営む店舗など第2種施設は禁煙か分煙を選択する。違反した場合は過料が科される。パチンコ店など風営法対象施設や小規模な飲食店などは、努力義務。屋外や住居、事務室などは対象外となっている。

【写真】海水浴客の意見を聞く松沢成文神奈川県知事=今年7月、藤沢市の片瀬海岸東浜(写真:産経新聞)
  


2009年12月28日 Posted by tonton at 19:58Comments(0)●コラム・投稿・社説