世界で推定毎年20万人の労働者が職場での受動喫煙により命を落としている。受動喫煙に安全なレベルはない。全面禁煙の実施が受動喫煙の被害から人々を守る唯一の効果的な方法だ。(by WHO)

日本も加盟しているWHOの「タバコ規制枠組み条約」では、「2010年2月までにすべての公共の建物内の完全禁煙」をガイドライン(指針)としています。子ども、家族、自分、大切な人がタバコの被害を受けない社会作りが必要だと思います。

                
 動画CMコンテスト受賞作品(NPO法人日本禁煙学会)


   

☆公共的施設の全面禁煙要請を全国自治体に通知 厚労省

「飲食店などは原則禁煙」 厚労省が都道府県に通知
【JCASTニュース】
http://www.j-cast.com/2010/02/26061038.html
受動喫煙による健康被害を防ごうと、厚生労働省は2010年2月25日、飲食店や遊技場など不特定多数の人が利用する施設を原則、全面禁煙とすることを各都道府県などに通知した。
分煙では被害は防げないとして、対策を決めた。対象となる施設は、学校、病院、官公庁、百貨店、飲食店、ホテルなどや鉄道、タクシーなどの交通機関。飲食店やホテルなどは、営業への影響を考
え、難しい場合は分煙を認めている。ただし、違反しても罰則はなく、どこまで徹底できるかは不透明だ。


公共施設 原則全面禁煙を通知
【NHKニュース】
http://www3.nhk.or.jp/knews/t10015838401000.html
他人のたばこの煙を吸い込む「受動喫煙」の被害を防ぐため、厚生労働省は全国の都道府県などに対し、不特定多数の人が利用する官公庁やデパートなど屋内の公共施設は、禁煙場所と喫煙場所を設ける分煙ではなく、原則としてすべて禁煙にするよう求める通知を出しました。


公共空間を「全面禁煙」要請 厚労省、罰則なく強制せず
2010/02/25 18:39 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/201002/CN2010022501000584.html
 厚生労働省は25日、飲食店やホテルなど不特定多数の人が利用する公共的な空間を原則として全面禁煙とするよう求める通知を都道府県など自治体に出した。受動喫煙による健康被害の防止を目的とした措置で、自治体を通じて関係施設への周知を図る。
 速やかな対応を求めているが、健康増進法は罰則を設けていないため強制力はなく、施設側が新たに対応を取らなくても処分対象にはならない。
 長妻昭厚労相は「通知による影響や効果などの現状把握をした上で、さらに踏み込んだ措置が必要かどうか判断する」との考えを示している。
 対象となるのは飲食店やホテルのほか、健康増進法が定める官公庁や駅、病院、百貨店、美術館や娯楽施設などの屋内。このほか、屋外でも子どもが利用する公園などでは受動喫煙防止対策に配慮が必要としている。
 通知は全面禁煙を求める一方で、利用者に喫煙者が多く全面禁煙によって経営に影響が出る飲食店などに配慮。こうした施設については「将来的には全面禁煙を目指すことを求める」とした上で、ポ
スターなどで喫煙区域と禁煙区域を明確に表示し、未成年や妊婦が喫煙区域に立ち入らないような措置を取るよう求めている。


公共施設の全面禁煙を要請=都道府県に通知-厚労省
2月25日18時14分配信 時事通信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100225-00000151-jij-soci
 他人のたばこの煙を吸い込む受動喫煙による健康被害を防ぐため、厚生労働省は25日、多数の人が利用する公共施設を原則的に全面禁煙とするよう求め、都道府県などに通知した。ただし、施設管理者に「努力義務」を課すにとどまり、罰則はないため、実効性は不透明だ。
 通知では、学校や病院、事務所など全面禁煙の対象となる施設を広範囲に指定。屋外であっても、子どもの利用が想定される場合は受動喫煙防止のための配慮が必要だとした。
 飲食店など全面禁煙が困難な施設については、当面は分煙化による対応を認め、将来的には全面禁煙を目指すよう求めた。 


公共施設に原則全面禁煙を通知、飲食店などの経営者は客離れを懸念-厚労省
【財経新聞】
http://www.zaikei.co.jp/article/biznews/100224/44460.html
 厚生労働省は25日、不特定多数の人が利用する官公庁やデパートなどの公共施設の建物内では原則的に全面禁煙とするよう求め、都道府県などの自治体に通知した。自治体を通じて関係施設への周知を図り、受動喫煙による健康被害の防止を目的とした措置。
 他人のたばこの煙を吸い込む「受動喫煙」は、心筋こうそくや肺がんなどを引き起こす原因になるとされ、今までは禁煙場所と喫煙場所を設けるなどの対策を施してきたが受動喫煙を防ぐ対策は不十
分だとして公共施設では、原則としてすべて禁煙を求めた。
 今回の通知では、屋外であっても子どもが利用すると想定される公園や通学路などでは、受動喫煙を防ぐための対策をとるよう求めた。
 ただ飲食店など全面禁煙が困難な施設については、当面は分煙化による対応を認めるとともに将来は全面禁止を求めた。


公共的施設の全面禁煙要請を全国自治体に通知 厚労省
2月25日18時14分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100225-00000579-san-soci
 他人が吸うたばこの受動喫煙による健康被害を防ぐため、厚生労働省は25日、飲食店やホテル、百貨店など多くの人が利用する公共的な施設を原則として全面禁煙とすることを求める通知を全国の自治体に出した。喫煙可能な場所を限定する「分煙」では、指定場所以外に煙が流れ出すことが多く、厚労省はより実効性の高い対策が必要と判断した。ただ、罰則規定はなく、実施するかどうかは施設側の判断に任される。
 通知は平成15年施行の健康増進法に基づく措置で、対象は学校、体育館、病院、百貨店や飲食店など人が多く集まる施設だ。健康増進法は、こうした施設の管理者に対し、受動喫煙防止措置の努力義務を課している。しかし、具体的な施策は示していなかったが、通知は公共的な空間については原則、全面禁煙とすべきだとしている。
 屋外も、子供の利用が想定される公園などについては配慮するよう自治体に求めている。
 全面禁煙がきわめて困難な場合は、将来的な全面禁煙を前提に、当面の間、喫煙可能な区域を設けるなどの対策を求めた。
 厚労省は職場の原則禁止に向けた対策にも乗り出す方針。労働者の受動喫煙を防ぐよう事業者に義務づける労働安全衛生法の改正案を、来年の通常国会に提出することを検討している。


「飲食店全面禁煙」通知…厚労省 都道府県などに 中央省庁対策見直しも
【ヨミドクター】
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=21312
 受動喫煙による健康被害を防ぐため、厚生労働省は25日、飲食店や遊技場など不特定多数の人が利用する施設を原則、全面禁煙とするよう求める通知を都道府県などに出した。
 喫煙区域を設ける従来の分煙対策では、被害は防ぎきれないと判断した。通知に違反しても罰則はないが、施設管理者への周知と対策徹底を求めている。
 対象施設は、学校や病院、官公庁、百貨店、飲食店、ホテルなど。このほか、鉄道やタクシーなどの交通機関も明示した。屋外でも、子どもが利用する公園や通学路などでの対策を促した。
 飲食店やホテルなどでは営業に甚大な影響を及ぼすことにも配慮し、全面禁煙が困難な場合に限り、暫定的に分煙での対応を認める。その場合も、喫煙可能区域を明示して、未成年者や妊婦が入らないよう措置を求めた。厚労省は、職場での受動喫煙対策についても検討している。
 今回の「全面禁煙」通知は官公庁も含まれる。中央の各省では、厚労省などを除き、役所の屋内に喫煙室を設けているところが多く、見直しを迫られそうだ。
 厚労省は2006年4月から、敷地内の喫煙所を1階玄関脇と2階講堂脇の屋外2か所に限定し、屋内の完全禁煙を各省に先駆けて実践してきた。ある職員は「冬の風の強い日は1回の休憩で1本吸
うのが限界で、本数が減った」。
 財務省には屋内に19か所の喫煙所があり、3か所は扉があるが、残る16か所はエアカーテンと換気扇で対応する。扉の方が煙の遮断には有効とされるが、担当者は「(扉がないのは)廊下から見えるようにして、長居できないようにする意図があるが、対応を考えなければ」と話す。国土交通、文部科学、防衛省なども屋内に喫煙所があり、対応を迫られる可能性がある。
 各省の対策は、2003年の健康増進法施行を受けて出された人事院の指針に沿って進められてきた。指針の対象ではないものの、遅れているのが衆議院だ。
 本会議場の北側に灰皿とエアクリーナーがあり、煙を遮断する仕切りはない。部屋の中は使う議員の判断といい、事務局は「今後どのようにするか、議運などで話し合うのでは」。人事院は「通知を踏まえ必要な対応をしたい」とし、新指針を作ることも検討するという。


<厚労省>公共的空間での喫煙 「原則禁止」を通知
2月25日21時13分配信 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100225-00000108-mai-soci
 厚生労働省は25日、受動喫煙の防止対策として、多くの人が利用する公共的な空間での原則全面禁煙を求める健康局長通知を出した。都道府県などを通じ、施設管理者に対策を促す。
 通知は健康増進法の規定の解釈の位置付けで、対象とする施設は▽学校▽官公庁▽百貨店▽飲食店▽娯楽施設▽公共交通機関--など。「受動喫煙防止は全面禁煙が原則」とし、実現が極めて困難な場合は、当面の間の措置として喫煙可能区域の設定などをしたうえで、将来的には全面禁煙を目指すよう求めている。
 厚労省は同法施行を受けた03年の通知で、全面禁煙と分煙の両方を対策として併記していたが、07年に世界保健機関(WHO)で「100%禁煙以外の措置では不完全」との指針がまとめられたことなどから、全面禁煙の方向性をより明確にした。【清水健二】


「公共施設は原則全面禁煙」厚労省通知 飲食店など対象
【朝日新聞】
http://www.asahi.com/national/update/0225/TKY201002250514.html
 厚生労働省は25日、他人が吸うたばこの煙を吸わされる「受動喫煙」による健康被害を防ぐため、多くの人が利用する公共的な施設では、原則として全面禁煙とするよう求める通知を全国の自治体に出した。罰則のない努力義務だが、喫煙場所を設ける「分煙」では不十分とし、将来的には全面禁煙とする方向性を明確にした。
 健康増進法の規定は、多くの人が利用する施設の管理者に対して受動喫煙による健康被害を防ぐ対策をとるよう求めている。通知はこの規定を具体化した。飲食店や学校、ホテル、病院、百貨店、官公庁などの公共的な施設は全面禁煙にすべきだとした。飲食店やホテルの室内などで禁煙が難しい場合、喫煙場所を設ける「分煙」も当面は認めるが、「将来的には全面禁煙を目指す」とした。屋外でも、子どもが利用する通学路や公園では、受動喫煙への配慮を求めた。
 同省は労働者保護の観点から、職場の受動喫煙防止を義務づける法改正も検討中で、今回の通知とあわせて全面禁煙化を推進する考えだ。


公共施設「全面禁煙を」 厚労省が正式要請、強制力なく
【日経ネット】
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20100225ATDG2504K25022010.html
 他人が吸うたばこの受動喫煙による健康被害防止徹底のため、厚生労働省は25日、利用者が多い公共施設を原則として全面禁煙とするよう求める通知を全国の自治体に出した。健康増進法に基づく措置。従来は吸える場所を限定する分煙でもよいとされていたが、分煙では十分な受動喫煙防止ができないと判断した。
 対象となる公共施設は飲食店やホテル・旅館のほか、学校、病院、駅やターミナルなど。また屋外であっても、公園や通学路など子どもがいる場所は配慮をするよう求めている。
 一部の飲食店など全面禁煙が極めて厳しい施設に限り、煙が他の場所に流れ出ないことを前提に分煙も認める。資金面で分煙の設備整備ができない施設は、日本政策金融公庫の生活衛生資金貸付制度も利用できる。


厚生労働省、自治体に向け「公共の場は原則全面禁煙」と通知
2010年 02月 25日 19:35 JST
http://jp.reuters.com/article/economicPolicies/idJPJAPAN-14071720100225
 厚生労働省は25日、受動喫煙を防止するため、飲食店や娯楽施設など多数の人物が利用する公共的な空間については原則として全面禁煙にするよう求める通知を都道府県知事などに向けて出した。自治体を通じて、関係方面への周知を図る。
 対象となる施設としては、病院、劇場、百貨店、官公庁施設、飲食店、駅、ホテル、旅館、タクシー、娯楽施設など。なかでも、官公庁や医療施設については「少なくとも、全面禁煙とすることが望ましい」とした。また、全面禁煙が困難な施設や区域については、当面の間、喫煙可能区域を設定するなどの対策を講じ、将来的には全面禁煙を目指すことを求めている。
 健康増進法25条では、受動喫煙の防止を規定している。ただ、健康増進法が努力義務になっているため、通知にも拘束力はない。厚生労働省では「社会的に考えてもらうきっかけになり、受動喫煙防止に向けた取り組みが進んでほしい」(健康局)としている。
 2003年に出した通知では、「全面禁煙」と喫煙場所を特定する「分煙」を併記。ただ、仕切りがきちんとされていない形だけの分煙が多くみられることや、07年には国際会議で分煙は受動喫煙防止に効果がないとされたことなどを受けて、今回の通知では、原則全面禁煙に踏み切った。  
 今回の通知は「受動喫煙防止対策のあり方に関する検討会」が09年3月に出した報告書を踏まえ検討が進められた。日本たばこ産業(JT)(2914.T: 株価, ニュース, レポート)は、報告書が出た時点で「たばこを吸う人と吸わない人が共存できる調和ある社会が実現されることが望ましいと考えており、今後とも、適切な分煙の推進や喫煙マナーの向上等、喫煙を取り巻く環境の改善に積極的に取り組んでいく」とコメントしており、現時点でも考え方に変わりはないという。


全面禁煙「困った」 厚労省が都道府県に要請通知 県内パチンコ店など/栃木
【下野新聞】
http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/local/news/20100225/288188
 他人のたばこの煙にさらされる受動喫煙を防ぐため、厚生労働省は25日、不特定多数の人が利用する公共の場では、建物内を原則、全面禁煙とするよう求める通知を都道府県など自治体に出した。対象は飲食店やホテル、パチンコ店などにも及び、県内の各業界団体は「客にたばこを吸うなとはいえない」「客足が落ちる」と困惑している。ただ施設側が新たな対応を取らなくても処分対象にはならないため、禁煙を訴える医師からは「罰則がなく骨抜きになる」との声も上がっている。
 「たばこを吸う人は酒を飲むと吸いたくなる。『禁煙』と言えば客は不愉快になる」。スナックやパブ、居酒屋などの飲食店で組織する県社交飲食業生活衛生同業組合(組合員440事業所)の大橋正明事務局長は戸惑いを隠せない。
 長引く不況で客足は減るばかり。大橋事務局長は「店は1人でも客に来てほしい。禁煙といって客から二度と来ないと言われたらどうすればよいのか」と表情を曇らせた。
 客の喫煙者が8割前後というパチンコ業界。全日本遊技事業協同組合連合会は「ホールを禁煙にした店舗もあるが、客足は遠のき、売り上げが落ち込んだ」と説明する。不景気で収益が落ち込む店舗も多く、分煙といった受動喫煙対策の設備投資は進まない。
 昨年12月にオープンした「ライブガーデン鹿沼グランドシティ」は各台の上に空気清浄機と隣の席に煙が流れないように間仕切り板を設置した。同店を経営する五月女善重社長(44)は「お客さんが禁煙、分煙対策する店を選ぶ時代になるかもしれない」
 県内のホテル、旅館で組織する県旅館生活衛生同業組合(333施設)の担当者は「全面禁煙の対応は難しい」としながらも、「徐々に禁煙の方向になっている。それなりの対応をしなければ」と話した。
 一方、「通知」の効果に疑問の声も上がる。日本禁煙学会評議員の森島真医師(さくら市)は「今でも健康増進法で施設管理者が受動喫煙防止策を取る努力義務の法律があるが、対策を取らず放置している。欧米と同じように罰則付きの受動喫煙防止法をつくるべきだ」と訴えている。



経営者ら業績悪化を懸念 「全面禁煙」に広がる波紋
【スポニチ】
http://www.sponichi.co.jp/society/flash/KFullFlash20100225088.html
 「大幅な売り上げ減につながるのでは」-。公共空間の「原則全面禁煙」を求めた厚生労働省の対応に波紋が広がっている。飲食店などの経営者からは、喫煙者離れによる業績悪化への懸念が続出。受動喫煙防止の必要性が叫ばれる中、禁煙をめぐる関係施設の対応は分かれそうだ。
 ▽客離れ
 「酒を飲みながらの一服を楽しみにしている愛煙者は多い。全面禁煙の導入は考えられない」。東京都内で韓国料理店などを経営する男性(38)は、厚労省の通知に表情を曇らせる。
 夜間の飲食客の大半が酒類を注文する同店。分煙措置は取っていないが、特段苦情などはないという。自らも喫煙者である男性は「私自身、全面禁煙を掲げる店に入ろうとは思わないし、そうした対応を取れば、常連を含めた顧客は別の店に流れてしまうだろう。不景気で経営が苦しい中で、さらに大きな打撃を受けることになる」。
 宴会場を備える旅館関係者の受け止めも深刻だ。「全国旅館生活衛生同業組合連合会」(東京)の幹部は「団体客の中には必ず喫煙者がおり、一概に禁煙とすれば客が減ってしまう可能性がある」と慎重な姿勢を崩さない。日本たばこ産業(JT)のある社員は「適切な分煙の推進や喫煙マナーの向上など取り組むべき方策はまだあるはず。『全面禁煙』は正直厳しい」とこぼした。
 ▽同意書
 「たばこの煙の害悪」への認識が広まる中、既に禁煙措置を取っている施設もある。「キューブホテル上野エクスプレス」(東京)は、2008年4月のオープン以来「全館完全禁煙」を継続。チェックインの際に同意書を取り、部屋での喫煙が発覚すれば退室を求める徹底ぶりだ。
 「以前は苦情を言う宿泊客と衝突することもあった」と戸田栄営業部長。最近では、経営姿勢への理解も進み「全館禁煙だから選んだ」という声も多いという。「たばこの煙を吸わないほうが健康にいいのは明らか。今後もこだわっていきたい」と話す。
 ▽喫煙は「病気」
 「日本には『公共の場での喫煙をやめて』と言いにくい風土があったが、今後はノーと言いやすくなる」
 日本癌学会など12学会で作る禁煙推進学術ネットワークの藤原久義委員長は、喫煙をめぐる世間の意識の変化に期待を寄せる。欧米を中心に公共の場を禁煙としている国が多いこともあり、「今後は健康増進法の改正によって罰則規定を設ける流れになるのではないか」と指摘。喫煙を「病気」ととらえた上で治療体制を整備することを提唱する。
 厚労省は、一部の喫煙者や関係施設からの反発について「現段階では経営悪化につながるほどの厳しい対応は求めていない。受動喫煙の防止に向け、できる範囲のことから実行してほしいということだ」としている。



「生ぬるい」「絶対無理」…「全面禁煙」通知 遅れる対策
2月25日23時21分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100225-00000623-san-soci
 厚生労働省が、多数の人が集まる公共施設を対象に求めた「全面禁煙」の通知。受動喫煙防止対策の強化を図るのが狙いだが、罰則や強制力はなく、効果のほどはわからない。客足に響く飲食店やパチンコ店関係者が反発を強める一方で、さらに対策を進めるために国に法整備を求める自治体も。海外に比べ遅れが指摘される対策は果たして前進するのだろうか。
 ■「生ぬるい」
 禁煙は世界的な潮流だ。世界保健機関(WHO)の「たばこ規制枠組み条約」が平成17年に発効し、屋内の職場や公共施設などでの受動喫煙防止策の実現を求めた。19年には「100%禁煙以外の措置は不完全」とする指針が採択され、欧州で禁煙化が加速した。
 日本も16年に条約に批准。厚労省は20年に検討会を設置し、昨年3月に「原則全面禁煙であるべきだ」とする報告書をまとめた。今回の通知もその延長線上にある。

 ただ、通知に強制力はなく、月刊「禁煙ジャーナル」の渡辺文学編集長は「生ぬるい。たばこを財政収入として位置づけているたばこ事業法や日本たばこ産業(JT)株の50%超を財務省が保有していることが根本的な問題だ」と指摘する。
 経営への影響が避けられないJTは厚労省の通知を受けて、「運用においてはすべての施設を一律に全面禁煙とするよう求めるものではないものと認識している。今後とも分煙に関する知見の提供などを通じ、積極的に協力していきたい」とのコメントを出した。
 ■「客足遠のく」
 対応に苦慮しそうなのが、喫煙する利用客が多い居酒屋やパチンコ業界だ。
 居酒屋チェーン、ワタミでは、17年7月から東京都北区や静岡市などの4店舗で全面禁煙の店を開店したが、約1年後には撤退した。家族連れや女性客に好評だったものの、喫煙者の多い深夜の時間帯や団体客の利用が伸びず、売り上げに直接影響したためだ。
 ワタミの担当者は「全面禁煙にすると、団体客の予約が入りにくくなる。小型店の場合は空間を仕切りづらく、分煙も難しい」と困惑気味に話す。
 客の7~8割が喫煙者とされるパチンコ業界も深刻だ。全国約1万2千店舗を傘下に抱える「全日本遊技事業協同組合連合会」の担当者は「オーナーからは、『分煙や禁煙を進めれば、客足は確実に遠のく』という声が大半。加えて、分煙には改装工事が必要になるが、この経営難の中でそんな余裕はない。全面禁煙は無理」と頭を抱えている。
 ■「法整備を」
 昨年3月、屋内の喫煙を罰則付きで規制する受動喫煙防止条例を全国で初めて制定した神奈川県。体育館や学校、病院などの施設は「全面禁煙」となったが、飲食店やホテルは「分煙」を容認する形で落ち着いた。全面禁煙に反対する飲食店やパチンコ業界などの意見が反映されたとの見方が強い。
 ただ、条例施行に伴って大手外食チェーンが全面禁煙を表明するなど、県の取り組みを後押しする動きも出ている。
 日本マクドナルドは3月から県内の全298店舗の全面禁煙に踏み切る。同社コミュニケーション部は「禁煙は世界的な流れ。外食チェーン大手という立場から禁煙でリーダーシップを取るべきだと考えた」としている。牛丼チェーンの吉野家も県内全87店舗ですでに全面禁煙を実施している。
 同県たばこ対策室の井出康夫室長は「(自治体レベルではなく)国として取り組むべき問題だ。健康増進法が定める受動喫煙防止対策は努力義務にすぎない。実効性のある対策を進めるためには法整備が必要だ」と訴える。
 ■受動喫煙
 「室内かそれに準ずる環境で、他人のたばこの煙を吸わされること」と健康増進法が定義。たばこの煙にはニコチンなどの有害化学物質が含まれ、肺がんや心筋梗塞(こうそく)などを引き起こす要因となるほか、親の喫煙によって子供の呼吸機能の発達に悪影響が及ぶなどの報告がされている。厚生労働省によると、喫煙者との同居に伴う受動喫煙が原因で、肺がんを患うリスクが20~30%増加するとの米国の研究報告がある。

     ◇
 厚生労働省が通知で、原則全面禁煙を求めた主な施設は次の通り。

 【公共施設】学校、体育館、病院、官公庁施設、社会福祉施設【娯楽施設】劇場、美術館、博物館、屋外競技場、パチンコ店、ゲームセンター【商業施設】百貨店、商店、飲食店、金融機関【交通関係機関】駅、バスターミナル、航空旅客ターミナル、旅客船ターミナル、鉄道車両、バス、タクシー、航空機、旅客船【その他】集会場、展示場、事務所、ホテル、旅館などの宿泊施設


【写真】酒席も禁煙となると愛煙家にはつらい?=東京都千代田区有楽町(写真:産経新聞)



厚労省 公共施設の禁煙通知 飲食業界に広がり期待
【東京新聞】
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2010022602000054.html
 他人のたばこの煙による受動喫煙の害を防ごうと、厚生労働省は二十五日、健康増進法に基づき、飲食店を含む公共施設を原則、全面禁煙にすべきだとの通知を都道府県などに出した。罰則はなく効果を疑問視する声もあるが、同省は経営者や客らの意識改革と対策の広がりを期待する。
 JR東京駅。平日の午後、東海道新幹線ホームの喫煙コーナーで、十数人がたばこを吸っていた。神奈川県相模原市の男性(67)は「喫煙コーナーも喫煙車もなくなるとしたら、あまりに乱暴だ」と憤然。JR東海は今後の対応について「お答えできない」と歯切れが悪かった。
 交通機関の多くは対策が進み、JR東日本は新幹線の喫煙車を廃止し、首都圏のホームでたばこを吸えるのは新宿など七駅の喫煙室だけ。地下鉄や関東地方の私鉄十社も駅構内を全面禁煙。都内のタクシーも全面禁煙だ。
 対策が遅れているのが飲食業界。二年前の業界団体の調査では、全面禁煙は20%で、喫煙自由が52%。主に酒を提供する店では全面禁煙は1%で、喫煙自由が86%だった。
 昨年、東京都大田区に全面禁煙のファミリーレストラン「饗の屋」を開業したワタミグループ。以前に北区に出した全面禁煙の居酒屋は客足が伸びず、一年で撤退したが、「居酒屋と客層が違うので、レストランの売り上げはいい」と担当者。今後の居酒屋での対応には「通知をよく検討したい」と慎重だ。
 長妻昭厚労相は通知の効果をみた上で、法改正など踏み込んだ対策が必要か判断することにしている。
 日本学術会議「脱タバコ社会の実現分科会」委員長を務める大野竜三・愛知淑徳大教授は「全面禁煙が強く求められたことは評価するが、施設側の判断に委ねるだけでは実効性に疑問がある。世界の多くの国のように罰則付きの法規制があるべきで、せめて神奈川県受動喫煙防止条例のような過料規定が必要だ」と指摘する。

◆罰則付き施行控えチェーン店は対策 神奈川
 四月から罰則付きの受動喫煙防止条例を施行する神奈川県。約十一万カ所ある飲食店やホテルなどは「禁煙」か「分煙」を選ばなければならず、大手チェーンなどが対策を打ち出している。
 ファミリーレストラン「ロイヤルホスト」を展開するロイヤルホールディングスは今月中に五十五店を全席禁煙にする。ハンバーガー「日本マクドナルド」は二百九十八店を完全禁煙に。居酒屋チェーン「モンテローザ」は完全分煙化を進める。
 しかし、飲食店などの業界団体が加盟する県生活衛生営業指導センターの八亀忠勝理事長(72)は「大型店は対応が進むが、小型店はまだまだ。条例を知らない経営者も少なくない」と指摘する。
 横浜市で喫茶店四店を経営する男性によると、三年前に一店を禁煙にしたら客が半減した。条例違反は二万円の過料だが、来年三月までは適用が猶予され、また百平方メートル以下の小型店は罰則対象外のため、当面、三店は分煙対策を取らない。

【写真】店内完全禁煙のバー。カウンターの上に灰皿はない。利用客からも理解を得ているという=横浜市青葉区で



石原知事定例会見 全面禁煙に対して知事は……/東京
【TOKYO MX NEWS】
http://www.mxtv.co.jp/mxnews/news/201002266.html
 厚生労働省が都道府県に対して不特定多数の人が利用する官公庁やデパートなどの公共施設を全面禁煙にするよう求める通知を出したことについて、知事は都としての考えを表明するのを避けました。
 石原知事は会見で「私が決めることではなくて、担当部門がいろいろあるんだろうけど、それぞれの総合意見として決めることですから、トップダウンで物事を決めるわけにはいかない」と述べました。(略)



職場における受動喫煙防止が義務化?
【上場.com】
http://www.jyoujyou.com/news/news100225.html
 厚生労働省の「平成19年労働者健康状況調査」によれば、職場において受動喫煙防止の対策として、全体では「事業所全体を禁煙」としているのが18%、「喫煙室を設け、それ以外は禁煙」としているのが28%、「どちらの対策も講じていない」のが54%となっている。ただし、事業所規模別にみると、5000人以上だと全てが何らかの対策を講じているのに対して、30~49人では53%、10~29人だと56%が対策を講じていない状況にある。
 こうした中で、職場における受動喫煙防止対策を検討している厚生労働省の研究会では、報告書の骨子案を公表した。その中で、具体策として、①一般の事務所や工場などの施設において、「全面禁煙」または「空間分煙」の方法をとる必要があること、②飲食業ほか顧客にサービスを提供する業種においても、顧客が喫煙するため、①の対策が難しい場合でも、サービスを提供する労働者の受動喫煙防止対策をとる必要があること、を示している。なお、対策が遅れる中小企業に対して、財政的支援のほか、相談体制の整備の必要性も指摘している。今後、4月にも報告書がとりまとめられた後、労働安全衛生法等の改正が必要と判断され、改正法案が策定される可能性がある。
 仮に改正法案において、受動喫煙対策が義務化される事態になれば、愛煙家にとっては、ますます肩身の狭い状況となりそうである。



全国の新聞各紙で報道されつつありますが、静岡新聞では見当たらず残念です。



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 ●喫煙で医療費1733億円増加…脳・心臓疾患で (2012-01-08 16:30)
 ●家庭用品による健康被害-厚労省 (2012-01-08 16:28)
 ●子供の誤飲事故、たばこが32年連続1位―厚労省 (2011-12-29 17:17)
 ●特定健診・保健指導で喫煙などにも対応を- 厚労省検討会 (2011-11-29 17:17)

2010年02月27日 Posted bytonton at 17:43 │Comments(0)厚生労働省

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☆公共的施設の全面禁煙要請を全国自治体に通知 厚労省
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