日本も加盟しているWHOの「タバコ規制枠組み条約」では、「2010年2月までにすべての公共の建物内の完全禁煙」をガイドライン(指針)としています。子ども、家族、自分、大切な人がタバコの被害を受けない社会作りが必要だと思います。
動画CMコンテスト受賞作品(NPO法人日本禁煙学会)
赤ちゃんの出生体重、戦前を下回る
赤ちゃん 出生体重、戦前を下回る 母体の痩せすぎ、喫煙が影響
減り続ける赤ちゃんの出生体重が、戦前の水準さえ下回ったことが
26日までに分かった。先進国で減っているのは日本だけ。要因は女
性の痩(や)せ志向で、喫煙やストレスなども絡む。胎児期に発育が
抑制されると、生活習慣病の危険が増すという。専門医は女性の健康
確保や胎児からのメタボ対策など、個人に加え社会全体の取り組みを
訴える。(八並朋昌)
≪20年で200グラムも減少≫
「驚くべきことだ。昭和55年から平成12年の20年で平均出生
体重は約200グラムも減った。60年前の戦前の平均さえ下回って
いる」
昭和大学医学部小児科教授・副院長で日本小児科学会新生児委員会
委員長の板橋(いたはし)家頭夫(かずお)さん(55)は語気を強
める。
厚生労働省は昭和35年から10年ごとに行う乳幼児身体発育調査
で、最新の平成12年調査結果を翌秋発表した際、平均出生体重の減
少について、「前回(2年)と比べやや減少」などと危機感を示さな
かった。この時の平均は男児3040グラム、女児2960グラム。
最高だった昭和55年の3230グラム、3160グラムから20年
で約200グラムも減り、昭和35年平均も下回っていた。
しかし、最近になって板橋さんが戦前の記録を調べ直したところ、
昭和15~17年平均(3050グラム、2970グラム)さえ下回
っていることが分かったのだ。
「成人の体格が大きくなっている先進国では出生体重も増加してお
り、減っているのは日本だけ。海外の研究者も驚きをもって注目して
いる」と板橋さん。
日本の出産適齢女性の平均身長も昭和22年の20歳で150・4
センチ、26~30歳で149・4センチから、平成17年は20歳
158・3センチ、26~29歳158・5センチと8~9センチも
大きくなっている。
にもかかわらず新生児が小柄化した背景には、過度の痩せ志向があ
る。厚労省の国民栄養調査で同世代女性のBMI(肥満指数)平均は
「ふつう」(18・5以上25・0未満)の範囲ながら、昭和22年
の22・4と22・0が平成17年に21・1、20・4まで下がっ
ている。
≪生活習慣病拡大も≫
喫煙やストレス、民族的な遺伝なども絡む。「痩せ過ぎなどで子宮機能
が悪化すると胎児に十分栄養が供給されない。たばこを吸えば胎児は
酸欠になり、ニコチンにさらされる」。実際に厚労省調査では、
母親本人の喫煙だけでなく、父親らによる受動喫煙でも、本数が増える
ほど出生体重が減っている。
新生児の小柄化を象徴するのが低出生体重児(2500グラム未満)
の急増だ。厚労省統計では、全出生数に占める割合が平成5年の6・
8%から16年には9・4%に増えている。
「胎内環境が悪いと、胎児はその環境に合わせて発育を抑制するプ
ログラミングが行われる。出生後に発育が追い着いても、急に栄養を
取るようになれば、内臓肥満から始まって糖尿病や腎不全、動脈硬化
や脳卒中など生活習慣病にかかりやすくなる。2500グラム以上で
も小柄な新生児にはこの傾向がある」
さらに、「母体からのストレスホルモンにさらされると、出生後にちょっと
したストレスで肥満になることや、キレるなど行動異常につながるという研
究結果もある」と指摘する。
≪国挙げた対策必要≫
こうした研究の進展などで、厚労省は18年2月に「妊産婦のため
の食生活指針」を策定。「必要な食事内容や望ましい体重増加量を示
している。『日本人の食事摂取基準』の次期改定でも対応する」と母
子保健課主査の三間紘子さん(31)は説明する。
板橋さんは子供を望む女性に対し「早い時期に『スリム=美人』と
いう偏向した価値観から抜け出し、喫煙や酒が絡む不摂生な生活を改
める」、夫婦には「妻は心身ともにストレスをためない。夫は『産むの
はお前(妻)だから』ではダメ。妻を支え、2人で出産する感覚を」
と助言する。
新生児の小柄化は、日本人が健康に生き残れるかどうかの問題に
かかわる、少子化以上に深刻な問題。板橋さんは「出生体重減少の大規
模調査・検証、出産適齢女性の健康確保、胎児からのメタボ対策など
国を挙げた取り組みが必要だ」と訴える。
【写真】胎児の画像を示しながら、出生体重減少の問題点などを語る
昭和大学医学部の板橋家頭夫教授=東京都品川区旗の台
(写真:産経新聞)
減り続ける赤ちゃんの出生体重が、戦前の水準さえ下回ったことが
26日までに分かった。先進国で減っているのは日本だけ。要因は女
性の痩(や)せ志向で、喫煙やストレスなども絡む。胎児期に発育が
抑制されると、生活習慣病の危険が増すという。専門医は女性の健康
確保や胎児からのメタボ対策など、個人に加え社会全体の取り組みを
訴える。(八並朋昌)
≪20年で200グラムも減少≫
「驚くべきことだ。昭和55年から平成12年の20年で平均出生
体重は約200グラムも減った。60年前の戦前の平均さえ下回って
いる」
昭和大学医学部小児科教授・副院長で日本小児科学会新生児委員会
委員長の板橋(いたはし)家頭夫(かずお)さん(55)は語気を強
める。
厚生労働省は昭和35年から10年ごとに行う乳幼児身体発育調査
で、最新の平成12年調査結果を翌秋発表した際、平均出生体重の減
少について、「前回(2年)と比べやや減少」などと危機感を示さな
かった。この時の平均は男児3040グラム、女児2960グラム。
最高だった昭和55年の3230グラム、3160グラムから20年
で約200グラムも減り、昭和35年平均も下回っていた。
しかし、最近になって板橋さんが戦前の記録を調べ直したところ、
昭和15~17年平均(3050グラム、2970グラム)さえ下回
っていることが分かったのだ。
「成人の体格が大きくなっている先進国では出生体重も増加してお
り、減っているのは日本だけ。海外の研究者も驚きをもって注目して
いる」と板橋さん。
日本の出産適齢女性の平均身長も昭和22年の20歳で150・4
センチ、26~30歳で149・4センチから、平成17年は20歳
158・3センチ、26~29歳158・5センチと8~9センチも
大きくなっている。
にもかかわらず新生児が小柄化した背景には、過度の痩せ志向があ
る。厚労省の国民栄養調査で同世代女性のBMI(肥満指数)平均は
「ふつう」(18・5以上25・0未満)の範囲ながら、昭和22年
の22・4と22・0が平成17年に21・1、20・4まで下がっ
ている。
≪生活習慣病拡大も≫
喫煙やストレス、民族的な遺伝なども絡む。「痩せ過ぎなどで子宮機能
が悪化すると胎児に十分栄養が供給されない。たばこを吸えば胎児は
酸欠になり、ニコチンにさらされる」。実際に厚労省調査では、
母親本人の喫煙だけでなく、父親らによる受動喫煙でも、本数が増える
ほど出生体重が減っている。
新生児の小柄化を象徴するのが低出生体重児(2500グラム未満)
の急増だ。厚労省統計では、全出生数に占める割合が平成5年の6・
8%から16年には9・4%に増えている。
「胎内環境が悪いと、胎児はその環境に合わせて発育を抑制するプ
ログラミングが行われる。出生後に発育が追い着いても、急に栄養を
取るようになれば、内臓肥満から始まって糖尿病や腎不全、動脈硬化
や脳卒中など生活習慣病にかかりやすくなる。2500グラム以上で
も小柄な新生児にはこの傾向がある」
さらに、「母体からのストレスホルモンにさらされると、出生後にちょっと
したストレスで肥満になることや、キレるなど行動異常につながるという研
究結果もある」と指摘する。
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こうした研究の進展などで、厚労省は18年2月に「妊産婦のため
の食生活指針」を策定。「必要な食事内容や望ましい体重増加量を示
している。『日本人の食事摂取基準』の次期改定でも対応する」と母
子保健課主査の三間紘子さん(31)は説明する。
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いう偏向した価値観から抜け出し、喫煙や酒が絡む不摂生な生活を改
める」、夫婦には「妻は心身ともにストレスをためない。夫は『産むの
はお前(妻)だから』ではダメ。妻を支え、2人で出産する感覚を」
と助言する。
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(写真:産経新聞)
●タバコは男性の認知力低下と関連、英研究
●カラオケ屋にこびり付いている煙草の臭いは体に悪いですか?
●喫煙が原因の結核による死亡 4,000万人増加の可能性
●喫煙の心臓病リスク、男性より女性で25%高い―米研究
●意外なうつの原因-喫煙
●喫煙による心臓病リスクは男性より女性で高い―米研究
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2008年11月30日 Posted bytonton at 23:28 │Comments(0) │●データ・知識1
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